革製品の中でもベルトは革の長さが必要とされるため、割高になりがちです。ラグジュアリーブランドのレザーベルトが尋常でない価格なのは、ただでさえ上等な革で傷や血管痕等を避けつつも長さを確保しなくてはならず、生産上ロスが大きいという理由もあります。
適正価格でありながら大人がカジュアルで使える普通のベルト、この条件で上質なものは意外となかなか見つからないものです。
それでもイングランド製やスコットランド製などを筆頭に、そうした要求に応えられる名品はちらほら見られます。いずれも頑強な一枚革を使用し、素材の多少の傷などは前提として問題にせず、使い込んだ後の革や金具の表情が渋みのあるいい顔になっていくものです。
前置きが冗長になりましたが、本日アメリカはオレゴン州から、そんな味わい方のできる素敵な良品が届きました。
ポートランドの若き職人集団が手掛けるTANNER GOODSは、厳選された素材をデザインに応じて適正に使用し、つくりそのものは質実剛健そのもの。それでもどこかとぼけたような柔和な表情があり、堅苦しさがないのが特徴です。
かといってアメリカの革製品でありがちな度の過ぎた粗野さはなく、寧ろある種のモード感すら漂うほど都会的なデザインとなっています。
決してラグジュアリーではありませんが、使えば使うほど深みを増す素材を使っているため、新品の状態では5割程度の完成度とお考えください。1~2年使い続けてからが本番です。
なお、金具も革同様味の出るものがあしらわれていますが、モデルによっては金具の交換も可能ですので、長い経過の中では気分でここを変えてみても面白いかも知れません。
当店では女性用の極細幅モデルと男性用の細幅モデルをご用意しました。元革モノ屋の店主が選んだ品です。是非店頭にてその佳さをご確認ください。