プレイボーイたる君、プレイボーイたらんことを欲する君に ~ SANDERS/ Hi Top Chukka

取扱店としてインポートものの恐ろしいところは納期の見えなさに尽きます。
今回も梱包を開けて「今、コレか!」と思わずだれもいない店内で声を発してしまいました。

きょうの天気はともかく先日梅雨も明け、いよいよ夏本番。
そこに一枚目の秋を落とすのがこの靴です。

聖地ノーザンプトンで100年以上の歴史を誇るSANDERSから、タバコ色のスウェードといっぷう変わったソールが魅力的な”プレイボーイチャッカ”の異名を持つこのブーツをご紹介します。

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サンダース社はイギリス国防総省向けに供給される靴の多くを手掛け、工場の約50%をその製造ラインとして割当てています。
その利権の大きさゆえに自社コレクションに於いても名門他社と同様の本格的な製法、上質な素材を使用しながら製造コストを抑えることが可能となります。

欧米製の革靴は、特にここ数年恐ろしいほど値上がりしています。
店主が中学生の頃から考えると各ブランドとも倍程度の価格になってしまっているのではないでしょうか。

そんな状況でもまだこのサンダースの靴はギリギリ値頃感が維持できていますので、民間企業と政府との甘い関係も一概に悪いこととは言えないなと思ったりします。

さて今回入荷のこのチャッカブーツですが、前述の通りソールが目を引くデザインとなっています。
通常は革やラバーのソールをグッドイヤーウェルテッド製法で…というところクレープソールでぐるりと巻かれ、若干厚底でもあります。

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このソールはマッドガードと呼ばれ、文字通り泥除けの機能です。
底の高さと形状自体も役割を果たしていますが、底付けの縫い目を構造上廃することでそこからの水の浸入も防いでいます。

厚みのあるクレープソールはスニーカーのような履き心地を提供し、気楽に履ける革靴としてとてもバランスがとれた品です。

映画『ブリット』でスティーブ・マックイーンが履いていたのがこれと同じデザイン(別ブランドのようですが)で、茶色のツイードジャケットにサルヴィアがかったブルーのタートルネック、チャコールグレーのスリムパンツにこれを合わせています。

映画自体は大した中身でもない(マックイーンがカッコイイ、それだけの内容です)もののこの着こなしを見るためだけでもDVDを買う価値はあるのではないでしょうか。
それほど痺れる装いです。

さすがに時候を考えるとマックイーンの出で立ちは数か月後でないと再現できませんが、スウェードの毛羽立ちが短く整えられていますのでとても暖かな素材感という程でもなく、今の時期だとショートパンツに合わせれば秋冬感が中和されて、暑苦しさを印象付けることなく履くことができます。

底の交換は少々難しい靴ではありますが、クレープソールは継ぎ足しが可能な素材ですので、靴底が減った際は腕のいい修理職人さんにご相談いただければ前向きな回答が返ってくるはずです。

タフでありつつ粗野でないこの靴を履くことで、プレイボーイの紳士諸兄に是非あやかってみたいものですね。

オンラインストアはこちら→ Hi Top Chukka


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