ひさかたの 光のどけき 春の日に  ~ HAVERSACK ATTIRE/ コットンシルクオックスアトリエコート

雨と寒さのなかスタートしたORDER BORDERとyojiomi合同イベント”色彩の祭典”も、2日目には晴天に恵まれ、無事閉幕となりました。

G.F.G.S.の小柳さん、yojiomiの近江さん、そしてオーダーいただいた方々、有難うございました。

とはいえORDER BORDERは3/26まで続きますので、引き続き皆様のお越しをお待ちしております。

そしてイベント中とはいえ、もちろん通常のお買い物もお楽しみいただけます。
桜が咲きはじめ、暖かくなったり寒くなったりと春らしい気候ですので、新しい春服を手に入れるには最適な頃合いでしょう。

たとえばスプリングコートは、羽織るだけで春気分をますます盛り上げてくれますよね。



ATTIREにしてはあっさり風味、いやしかしよく見ればやっぱりATTIREな、一枚仕立てのアトリエコート。
着るまでもなくその佇まいだけで、春を強く感じさせます。
彩度を抑えた薄いベージュに、氷菓を思わせるペールオレンジ、どちらも涼しげで、甲乙つけがたい色です。

コットンシルクの交織オックスフォードシャンブレーは、その手触りはもちろんのこと、やさしいドレープや光が当たったときの美しい反射具合に、質の高さが見て取れます。

前立ての打ち合わせは浅く、ダブルブレストながら重厚感が抑えられました。

襟裏とポケットにはさり気なく配色のアクセントが入り、より軽快な印象が生まれています。

なお、ペールオレンジのものはレディースサイズもご用意しました。

ブランド名こそ違えど(こちらはATTIREでなくHAVERSACK名義)、サイズを除きまったく同じ仕様です。

軽い着心地や、体の動きに伴う優美な生地の流れは、是非とも実際にお試しいただきたいところ。
コート、とくに男性用のそれでは珍しいシャーベットカラーも、着てしまえば意外と違和感ないものですよ。

オンラインストアはこちらです→
Men’s ベージュ/ オレンジ
Ladies’ オレンジ


まごころを、君に ~ beta post/ air tailored jacket & barrel pants

先日ご紹介したベルトの不思議な魅力が「あれば何だ」とさっそく一部のお客様をザワつかせているbeta post。

革小物のみならず、服もひと目ではそうと気づかない、しかしただならぬデザインに快い敗北感を覚えます。


一見しただけではごくシンプルなジャケット。

高密度に織られた薄手のウェザークロスは、軽さ、すっきりした剛性、滑らかで艶のある質感が、快適さと適度な緊張感を齎します。

この素材でシングルブレストのジャケット、となるとともすれば格好良すぎてしまいかねないところ、ボキシーなシルエットに程よく落ちた肩が洒脱なリラックス感を生み出してくれます。

…と、ここまでなら使い勝手の良いジャケットの話で終わりますが、もちろんそんなはずがありません。

工業製品然とした面構えのアルミを削り出したボタンが、寡黙にして雄弁にその存在を示してきます。

本切羽の袖口にも艶を抑えた金属の迫力。

そして裏を見てみると…

エアパッキン??

さすがに本物のプチプチではなく、それを模したオリジナルの生地が背裏などに用いられています。
見た目上の面白さだけでなく、さらりとして滑りがよく、脱着のしやすさや着心地を高めてくれる優れものです。

なお、このジャケットと対になるパンツもご用意しています。


とはいえ、生地とボタンが同素材であり、セットアップとして好相性なバランスであっても、こちらはこちらで独自の設計思想に基づいた一本です。

パンツ自体のシルエットは、膝に膨らみを持たせた、樽のような形状です。
barrel pantsの名はそこに由来します。

気温と湿度が高まり、生地と肌の接触がべたつきがちな季節でも、快適にご着用いただけます。

ベルトループにsusupention beltを通すのも乙なものですが、腰にはゴムが仕込まれ、かつ両脇にアジャスタが設けられていますので、ベルトレスでもある程度調整可能となっています。

内側につけられた吊りループの衝撃的なルックス。

まさに荷造り用のPP紐、しかしこれおそらくダイニーマ製と思われます。
ダイニーマは登山用品にしばしば用いられる、極薄かつ引き裂き強度に優れたナイロン素材です。

裾の始末も一風変わっています。

通常生地を折り返して縫うところ、ピンキングの裁ち切りに。
これによって、裾に厚みが出ず、すっきりとした軽快な印象が生まれます。

服を評価するにあたり、いわゆるルックス、使いやすさや機能性といった実用面、そうした要素はもちろん軽んじるべきではありませんが、意表を突く面白さも忘れずに大事にしてきたいものですね。

オンラインストアはこちらです→ air tailored jacket/ barrel pants


色彩の祭典・続報

早いもので、色彩の祭典まで一週間を切りました。

先日告知した際、「今回はいつもの定番モデルだけでなく、イベント限定モデルも登場する予定です」と曖昧な情報を載せましたが、その詳細についてお知らせします。

かつて存在した3色ボーダーが、今回のイベントで限定復活致します。

オフホワイトをベースに、上と下に分かれたボーダーのパートの色をそれぞれお選びいただく仕様です。

選べるのは2色とはいえ、オフホワイトの入った3色というのは配色の可能性を大いに拡げてくれるもので、単にお好みに合わせるもよし、また応援しているスポーツのチームカラーなどにも近づけやすくなりました(たとえば、横浜F・マリノスならブルーとレッドの組み合わせ)。

毎度、会場でシミュレーターを前に悩む方の多いORDER BORDER。
この3色ボーダーも含め、いまのうちにお気に入りとなる一着のプランを練ってみてください。


そういうのもあるのか ~ Jeanik/ 0113LNN Linen Coverall Jacket

当店ではすっかり定番的存在の地位を確立したJeanikのデニムジャケット(Gジャン)。

この春も、形・素材・価格と何も変わることなく補充されました。

着る時期が難しいと言われがちなGジャンですが、まさにいま!いまですよ。

さて、そんな安定感抜群のジャケットと並んで、見慣れぬ新星が現れています。


デニムジャケットのみでブランドをスタートしたJeanikが、カバーオールを手掛けました。
これがまた素晴らしい出来栄えですのでご覧ください。

素材はリネンの平織生地。

上質なリネンならではのさらりとした肌触りはもちろんのこと、コシの強さ、柔かさをどちらも高い次元で実現しています。

赤みを抑えたベージュはどこか涼しげで、春の装いをクリーンに引き立ててくれるはずです。

単にシンプルなだけではないディテールや形状のバランスは、Gジャンと同様にJeanikらしい技巧の光るところ。

オーバースペックな意匠やステッチを取り除き、ボタンを落ち着いたホーン製に置き換えることで、もともとワークウェアだったはずのデザインが、すっきりとした上品な印象に生まれ変わりました。

全体的に角が取れた曲線的なパーツで構成され、それがこの柔和な印象をさらに引き出しています。

サイズ感は表記に対してかなり大きめです。
Mサイズであっても、同ブランドのGジャンのLより大きく仕上がっています。

ですので、Gジャンが着られなかった御仁であってもブランド名で躊躇せず、まずは一度お試しを。

オンラインストアはこちらです→
0102 2nd Type Denim Jacket/ 0113LNN Linen Coverall Jacket


シフォンの子守唄 ~ comm. arch./ OG Cotton Chiffon Sweat CD

暖かさが増してくると、上着だけでなく「ちょっと重ねる」感じの服が着たくなってきますね。

選択肢は多く、どれにしようか悩むのも愉しいもの。
薄手のスウェットがいいかな、いやカーディガンがいいかな…いやいっそ、薄手のスウェットのカーディガンを?

コムアーチのスウェットの着心地のよさを堪能できるのは、以前ご紹介したリカバリーシリーズだけではありません。

シフォン裏毛と名付けられたこの生地は、スウェットにしてはかなり薄いだけでなく、とにかくやわらかいのが特徴です。

使用している綿はエーゲ海沿岸のトルコ・イズミール地方で栽培されるオーガニックコットン。
光沢が少なく、かつしっとりした肌触りを備えたこの素材を空気で紡績し、極細番手の糸にしています。

薄さゆえ洗濯耐久度が心配なところですが、そこはご安心を。サイズもほぼ変わりません。

店頭でご試着いただいた方はみなそのとろんとした着心地に驚かれます。

両脇のハンドポケットにもつい手を入れたくなるほど。

当然、この心地好さを男性に独占させるつもりはありません。
レディースモデルもちゃんとご用意しております。

前立て以外の基本設計はほぼ変わっていませんが、身幅を広く、着丈を短く設定し、全体的にふんわりした円みのあるシルエットに補正されています。

春のみならず、初夏、また夏でも冷房除けとして活躍してくれそうなカーディガンです。

繊細な発色も魅力的ですので、是非店頭にて実際に見て着て比較してください。

オンラインストアはこちらです→
OG Cotton Chiffon Sweat CD キャラメル/ ピスタチオ/ ライトライラック
OG Cotton Chiffon Sweat CD(Ladies’) キャラメル/ ピスタチオ/ ライトライラック


とってもペイズリー ~ HAVERSACK ATTIRE/ 14Gペイズリージャカードカーディガン

残念なほどに店主の顔や存在がひどく地味なせいか、おとなしく保守的な印象をしばしば持たれがちな当店ですが、実際はそうでもありません。

店頭にお越しいただければお判りになる通り、むしろ比較的カラフルで挑戦的な品揃えです。

この春はとくにその傾向を強めまして、先日告知した<色彩の祭典>に限らず、世の閉塞感に抗うべく、色や柄を積極的に取り入れています。


ひと目で鮮烈な印象の残るペイズリー柄は、これぞATTIREといったところでしょう。

マーセライズド加工が施された綿糸を使用した14ゲージの編地は、しっとりした艶と乾いた肌触りを備えています。

意外なことにというのも何ですが、服の構造自体はとくに奇を衒っていない、正統派のニットソーカーディガンです。

ピタピタではないにせよそれほど大きい作りではなく、形だけを見れば癖は強くありません。

ゆえに、男性用のMサイズとはいえ、女性がややゆったりとお召しいただくことも可能です。

先述の通り形自体はオーソドックスですので、強めの柄であっても着てみるとエグみはなく、拍子抜けするほどに馴染んでくれます。

これからますます加速する春に向け、是非一度お試しを。

オンラインストアはこちらです


色彩の祭典 ~ ORDER BORDER & yojiomi受注販売会

俄かに暖かさが増し、ぐっと春らしくなってきました。

当店で春と言えば、そうORDER BORDER。

もちろん今年も開催します!

ORDER BORDERをまだご存じない方のために簡単に説明しますと、ボーダーのカットソーのオーダー会です。

会期中、店頭に並べたサンプルをもとに、サイズのみならず生地の厚み、お好みの配色、ボーダー幅、袖丈、襟の仕様などをご指定いただきます。

そのご希望に合わせて生地を編むところからスタートし

一着ずつ仕立てるという、

ボーダー愛好者にとっては夢のようなイベントでございます(ちなみに、無地も作れます)。

第9回目となる今年の会期は

3/18(土)~3/26(日)

です。

今回はいつもの定番モデルだけでなく、イベント限定モデルも登場する予定です。
詳細については後日追ってお知らせしますので、ご期待ください。

また、コロナ禍でしばらくご無沙汰していましたが、G.F.G.S.代表の小柳さんが新潟から来浜、助っ人として在店されます。

もちろん全日とはいかず、在店期間は3/18~19の2日間のみ(19日は夕方ごろまで)です。
この機会をお見逃しなく。

さらにさらに、3/18~19は特別な2日となりますよ。

この両日はORDER BORDERだけでなく、手染めのカードケースでお馴染みyojiomi shoes & craftsの受注販売会も同時開催します。

本来は靴をメインとしたブランドで、その多くが靴職人である近江洋司氏によって作られます。

品質の高さは当然の前提として、名刺入れと同じく近江さんご自身の手によって染色が施され、実用品の枠を超えた、宝石のような靴たちです。

この靴を中心に、下記ラインナップをご用意致します。

1)2023AW新作の先⾏受注
2)スリッポンをはじめとした定番品の受注
3)⼩物を中⼼とした⼀点物の即売

靴のオーダーに際しては、試着⽤のサンプルを履いた上でサイズと⾊をお選びいただきます。

デザインにより変動するものの、なんと最⼤40⾊より選択可能です。

商品の詳細は下記の通り。

【2023AW新作の先⾏受注】※価格未定
ボタンブーツ(メンズのみ。今回のサンプルは25.0cm、26.0cmをご用意します)(サンプル試着のみ。受注は延期となりました)
・ルームシューズ兼ワンマイルシューズ(24.0cm、26.0cm、28.0cmの3サイズ展開)
・⾰⼩物 (ボールペン、ペンケース、ノートカバー、ミニガマ⼝、三つ折り財布、フラワーベース)
ボタンブーツは 8〜9⽉、その他は6〜7⽉納品予定

【定番品の受注】
・スリッポン ⾰底¥72,600/ ゴム底¥61,600 (サイズ 22.0cm~28.0cm)
・ダービー ⾰底¥72,600/ ゴム底¥61,600 (サイズ 22.0cm~28.0cm)
・ミュール ¥55,000(⾰底) (サイズ 22.0cm~28.0cm)
・ホールカット ¥69,300 (メンズのみ、サイズ 25.0cm、26.0cm,、27.0cm)
※ホールカットのみ 4 ⽉納品、その他は 6〜7 ⽉納品予定



【⼀点物の即売】
・ホールカット ¥69,300
・カードケース ¥8,800
・L字ファスナーショートウォレット ¥19,800

いつも色に溢れ華やかな場となるORDER BORDERに、yojiomiの複雑な色調が加わり、その彩りの豊かさはまさしく春爛漫です。

もちろんこの2日間は近江さんも在店されますので、そこもお楽しみに。

先に述べたボーダーの限定モデルはじめ、今後も引き続き追加情報が入り次第告知します。
引き続きご注目を!


Body feels EXIT ~ Ithe/ No.42-57-RL & 07-34-3WP

1990年代はトレンドセッターの年齢が下がり、大人や大学生に代わって高校生が文化の中心にシフトした時代でした。

もちろんメディアの力は無視できないほど強く(いまよりずっと!)、その影響も多大ではあったものの、街や学校といったフィジカルな場所に根差した若者発のカルチャーがブクブクと泡立つように次々と生まれたものです。

バブルの崩壊も一因あったかも知れません、大人が反発すべき強者たる存在から、蔑むべき存在になったのもこのころ。

オヤジ狩り、なんてのがありましたね。
無辜の被害者も少なくなく、実に野蛮な流行ではあったものの、一方でセンター街で女子高生に声をかけては「5万でどう?」と生臭い顔つきで援助交際の交渉に励むおじさんとかを見かけると、宜なるかなといった気持ちになったのも確かです。

大人の権威がそうして弱まっていったのがどこまで関係あるのかは専門家のご意見を伺いたいところですが、不良に限らず学校の制服はすべからく着崩すべきものになっていきました。
短ランにボンタンといったオールドスクールな改造服・特注服ではなく、学校指定品をそのまま使いながら、アイテムを足したり着方で見せ方を変えていくやり方です。

店主自身の高校時代で周りを思い返してみると、無印良品のヘアターバン、バーバリーやフェンディのマフラー、G-SHOCKやアヴォセットのVERTECH、ポケベル、ルーズソックス…
そして何といってもラルフ・ローレンのシャツやカーディガンでした(早い子は当時から取り入れていましたが、紺ハイソが大々的に流行ったのはもう少しだけ後の世代です)。

アメリカントラッドともヒップホップとも異なる文脈でのラルフ・ローレン。
そうして当時の若者に愛されたカーディガンをサンプリングし、大幅なアレンジを加えまるっきり別物にしたジャケットがこちらです。


同じサンプリング元を使用し2020年に発表されたNo.42-RLからさらに大胆に手が加えられています。

今回もニットでなく布帛に置き換えられていますが、その生地は薄手のウール。

繊細でなめらかなSuper120’sの羊毛に形態安定性に優れたポリエステル素材ソロテックスを混合した生地で、上品なルックスと肌触りのよさはもちろん、皴になりにくく回復力にも優れているという実用性も備えています。

ボタンはスナップに、それも表から見えない仕様となりました。

両脇のポケットは廃され、代わりとして縦型のシームポケットに。
ミニマルな印象をもたせながらしっかりと機能性は確保されています。

袖口と裾のリブも無くなり、服全体がクリーンで鋭角的な印象にまとめられました。

もはやサンプリング元の面影はほぼ残っていませんが、それもまた面白いところですね。

ところで、このカーディガンジャケットと同素材のパンツもご用意しております。


初期Itheの代表格のひとつでしたので、以前からのファンにはお馴染みの型かも知れません。
フランスのワークパンツをサンプリングしたものです。

とはいえこちらもアレンジが加えられていまして、腰にはドローコード、そして一部にゴムが仕込まれた、隠れイージーパンツとなっています。

ヒップポケットのファスナーはサンプリング元の武骨さを排除し、軽くスポーティーなタイプへ変更されました。

どちらも単体でも使いやすく、もちろんセットアップで合わせるのもよいでしょう。

故きを温ね新しきを知る、懐古主義とはまた一味違う過去の愉しみ方がここにあります。

オンラインストアはこちらです→ No.42-57-RL/ No.07-34-3WP


エレファント&キャッスル ~ beta post/ suspension belt

たとえば当店では品揃えを考えるときに、「良品」であることはとくに重視していません。
なぜなら、置くからには良品なのが当たり前だからです。

そこに加えて、なぜそのブランドが、なぜその品がここにあるべきなのか、その必然性こそが問われます。

その必然性を構成する要素はかなり言語化が難しく、またそれをすべて公開するのも業務上問題がある気がしますので、ここではつまびらかにしません。

ただ、ひとつ挙げるならば「面白さ」というのは無視できない点でしょう。

もちろん面白い、といってもfunnyでなくinteresting的なニュアンスですが、interestingも突き詰めればfunnyになるのかも。そんなことをこのベルトを見ながら考えていました。

当店では初登場となるbeta postは、すでに他のレザープロダクトブランドで実績のあるデザイナー江崎賢氏が手掛ける実験的なレーベルです。

ブランド名の由来について公式の説明を引用しますと、

beta: 試用 実験的な
post(1): 投稿する 掲示する
post(2): 次の 後の(未来を表す言葉)

とのこと。

何やら、ただのファッションブランドではなさそうな気配がこの時点でプンプンと漂います。

構造のみならず、その素材の選定にもデザイナーのメッセージが提起されたベルト、さっそく見ていきましょう。

まず最大の特徴はこのバックル。

suspention beltの名が示す通り、まさかのサスペンション機能が搭載されています。

通常、自動車やバイク、自転車などで衝撃を緩和するために組み込まれるものですが、そのロジックをベルトに取り入れることで、体の動きにベルトが対応し、運動時や荷物を持った時などに圧迫感を軽減してくれます。

言われてみれば、たしかになぜいままでベルトに採用されてこなかったのか不思議なくらいです。

その他にはベルトの構造にそれほど変わったところはありませんが、素材がまたユニーク。

まず、この荒々しい灰色は、なんと象革を使用しています。

言うまでもなく抜群の耐久性を誇る素材です。なにせ象さんですから。
もちろんワシントン条約に抵触する禁制品ではございませんのでご安心ください。

この質感を活かし石を模すことで、プラスチック製品をはじめとする大量生産大量消費の傍らで犠牲となる”自然”を表しています。

もう一色、温かみのある乳白色は牛革を。

革は白く染めることのできない素材ですので、通常顔料を乗せることになるのですが、この革はそうした加工を施していません。

兵庫県姫路市で生産される白鞣し革と呼ばれる革で、1000年以上の歴史をもちながら現在たった一社でのみ作られる、たいへん稀少な革です。
牛の皮を河水に漬けたり、塩と菜種油で揉んだりと、素朴にして手間のかかるプロセスを経て生まれます。

なおこちらは大量生産大量消費の犠牲となる”伝統”を表しています。

と、こちらの社会への意識を促すだけでなく、純粋にプロダクトとして見ても興味深い構造を備えたベルトです。

どこに重きを置くかはもちろん個々違うところで、唯一の正解があるような話もでありません。
もし何かを感じていただけたなら、その「何か」を大切にして、どうか長く使い込んであげてください。

オンラインストアはこちらです→ ストーン/ ホワイト