憧れは魔法にのせて ~ rus

この秋、スペインから素敵なブランドを迎えることとなりました。

その名はrus(ルース)。

北西部ガリシアで生まれたパティとイネスのグティエレス・モンロール姉妹によって、2019年に設立されました。

姉妹両者の担当は明確です。
クリエイティブディレクターとして活躍してきたパティがデザインに詩的な感性を吹き込み、産業工学のバックグラウンドを持つイネスがそのヴィジョンを形にするための構造を設計します。

彼女たちは、女性が自由にアイテムを重ね合わせ、自分だけの「装う儀式」を創り上げられるような、感性を刺激する服づくりを目指しています。
そして同時に、ただ瞬間的な感動を与えるのではなく、シーズンを超えて繰り返し愛され、時を重ねてもなお新たな魅力を発見できる服であることも強く意識しています。

発足当初から、彼女たちの服には日本の美意識との静かな共鳴が見られました。
それはトレンドやカルチャーからの目に見えるような形ではなく、気質や感性といった心根の深い繋がりです。

そのためか、rusの服の多くには日本語の品名が授けられ、遠く離れたスペインのブランドでありながらちょっと不思議な親近感を感じさせてくれます。

今季のコレクションテーマは“Objects of Desire(憧れの対象)”。

「憧れ」はその対象を手に入れる時点で消えてしまうことも珍しくありません。
それはモノだけに限らず、人に関しても皆さんに覚えがあるのではないでしょうか。

しかしrusの考える「憧れ」は、その先も見据えています。
繰り返し袖を通すうちに、重みや記憶、そして意味を帯びていき、そこでようやく自分のものになる、そんな感覚です。

その「憧れ」は、素材の質感や緊張感の中に宿ります。
時を重ねて着込むほどに馴染んでいく生地、柔らかな感触と構築的なフォルムとのせめぎ合い、身体を包み込みながらも素肌を覗かせる隙。
最初はどこかとっつきにくいような距離感があっても、いやあるからこそさらに、着る人自身が使いこなすことで「手に入れた」と言えるわけです。

それはやがて、いつまでも手元に置いておきたくなる服、共に生きる服になっていきます。

では、そんなこの秋のrusをご覧いただくことにしましょう。

まずは、MONO pants。


ゆるやかなテーパードシルエットのパンツです。
ヴァージンウールを使用した、上質なウールサージで仕立てられています。

股上が深く、ふっくらした美しいボリューム感が女性の曲線的な身体を美しく引き立てます。

美しさだけでなく快適性も考慮され、腰の背面側にはゴムが仕込まれています。

このMONOと同じウールサージを使用したミディアム丈のスカート、UCHI skirt。


全体的に細めのシルエットですが、腰回りにはダーツがとられ、立体的な円みも両立しています。

画像だとプレーンな黒いスカートに見えるかも知れませんが、さにあらず。

裏地の白いコットンボイルライニングが

裾からフリルのようにはみ出し、可憐で軽快な印象を生み出しています。

シャープな形状に純白のフリルの仄かな甘さ、そこに上品な官能性を加えるのが、背面の深めのスリットです。

この巧みな合わせ技には思わずはっとさせられます。

そして、上記のパンツ、スカート両方とセットアップでも着用できるのが、TELON tailored jacket。


長めの着丈に、広く設定された肩、低いゴージラインが1980年代の服を聯想させながらも、

そうしたエッセンスを現代的に仕上げた一着です。

身体に覆いかぶさるように包み込む感覚のオーバーサイズシルエットですが、線上に走るインバーテッドダーツや

肩甲骨あたりの高さから裾に向かって走る背面の深いスリットが、

服からホッコリした甘さを排除しています。

そこに、UCHI skirt同様、裏地の白いライニングが裾からフリルのようにはみ出し、

可憐で軽快な印象を加え、絶妙なバランスを生み出しました。

最後は、いっぷう変わったシャツを。


BON shirtは、ダイナミックに高く設定されたスタンドカラーと、2つずつ並ぶ独特の配置のボタンが特徴的な一着です。

さらりとした肌触りのポリアミド混のウール生地で仕立てられています。

高めのスタンドカラーは、ボタンの留め具合や襟の寝かせ具合で、さまざまな表情に。

エッジの立ったドロップショルダー、

ボリュームのある袖が、

適度な緊張感を伴いながらふっくらしたシルエットを作り出し、前後に深く入ったプリーツが

鋭角的な要素を付与しています。

手のつけようのない円安という事情もあり、正直なところどれも決して安価とは言えませんが、それ以上の価値をもった服揃いと断言できます。

単体で見るより実際に着ていただいてこそ伝わる服でもありますので、まずは一度店頭にてお試しください。
rusの名、きっと心に刻まれるはずです。

オンラインストアはこちらです→
MONO pants ブラック
UCHI skirts ブラック
TELON tailored jacket ブラック
BON shirt チョコレート

臨時営業のおしらせ

9/23(水)は、本来定休日ですが、祝日につき12:00-20:00の時間帯で臨時営業致します。

お仕事上の都合等でふだんなかなかご来店いただけない方もいらっしゃるかと思います。
もしタイミングが合うようであれば、是非お越しください。

皆様のご来店、心よりお待ち申し上げます。

風光る ~ TOKIARI/ HIKARU

「普通の服」、世の中にいくらでもあるようで、実はなかなか見つからないものです。

業界の仕掛け以前に飽きや感覚の鈍麻などから、どうしてもトレンドの移り変わりは発生し、そのときどきで「普通」すら変わってしまったりします。

レギュラーカラーの白いシャツやインディゴブルーのデニムのジーンズ…永世定番、不変、そう思われがちな服でさえ例外ではありません。

そしてまた、こうしたものこそ基本的な構造の完成度が高いゆえに、差異化を図ろうとするとどうしても何か要素を付け足すことになりがちで、それが結果としてデザインの寿命を縮めることになることも。

というわけで、店としても「普通」はなかなか見つけるのに難儀します。
が、TOKIARIのHIKARUがひとつの道筋を導いてくれました。


セミロング丈の昨年のモデルもたいへんご好評いただいていましたが、今年の春に着丈を短くリニューアル。

一切の虚飾が排除され、声高に何かを主張することはありません。
しかし襟の形状や肩から腕へのラインなど細やかなデザインや、上等な素材、緻密な縫製が、「普通」でありながら凡百の「普通」とはまるで違うレベルにあることを示します。

この特上の「普通」の形をそのままに、生地に一捻り加えたのがこちら。


小刻みなネップが美しいシルク混リネン。

光の当たり具合によって陰影のコントラストが強く出て、ふとした瞬間に艶めかしい表情を見せます。

ボタンは、野趣溢れる水牛の角を採用。

ここで差し込まれる一種の野蛮が、知的なエロスをさらに刺激的に引き上げます。

殊更に色気を強調するわけでも、人目を引くアピールをするわけでもなく、ただ素のままで、そこに。
真の官能について理解の深まる一着です。

オンラインストアはこちらです→
BROAD COTTON 2.1.0 ホワイト/ LINEN SILK 2.1.0 ブラック

オーメンズ・オブ・ラブ ~ shinyaseki/ Winter Linen Square Shirt

ときおり蒸し暑さは戻れども、夏という季節は完全に過ぎ去り、長雨と台風とともに秋が着々と近づいてきています。

とはいえ、まだ本格的な秋物の服を着るほど冷え込んでもおらず、夏とも秋ともつかぬ気分を持て余している方もいらっしゃるのでは。

こんな曖昧な時期には、曖昧な服が最適です。


シャツのようなジャケットのような、いや品名はシャツだな、しかしシャツというのは…と、カテゴライズに悩まされますが、そんなことはどうでもよくなるほど見事な完成度を誇るshinyasekiのSquare Shirt。

ウィンターリネンと名づけられた、比較的厚地のリネンを使用して仕立てられています。

リネンというとつい清涼なイメージを抱きがちなところ、しっかりと目も詰まり、適度な防風性、保温性を備えています。

shinyasekiならではの複雑な組み立ては、眺めて面白いだけでなく、体を通したときにその真価を発揮。
曲線的な女性の身体を、より美しく引き立ててくれます。

一見キテレツなつくりに見えて、実は人体の構造に基づき緻密に計算された設計です。

身幅をたっぷりととり、肩の位置も厳密でないパターンですので、さまざまな体型の方に適応します。

シャツらしからぬフラップ付きのポケットは実用面でもうれしいディテール。

どこを見ても唸るほど徹底的にデザインされていますね。

それでいて、いざ着てみるとそれほどハードに尖った印象を見せるわけではありません。

全体を重層的に作り込みながらも、裁ちっぱなしの生地の端を活かすことで全体に軽さが生まれ、

結果、拍子抜けするほど日常風景に馴染む気張らない服となっています。

9月から10月にはかけては主役として、もっと寒くなったら装いの一構成要素として、想像力次第でさまざまな使い方のできる一着です。
曖昧さゆえのこの汎用性、是非なるべく早めに手にして、長い期間愉しんでください。

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球体の奏でる音楽 ~ Kate Sheridan

品が佳く優しいルックスと快適な使い勝手、そして気兼ねなく使えるタフネスさで、静かに着々と評価を高めてきているKate Sheridan。

この秋も素敵な新色が届きました。

まずは、普段使いから仕事用まで幅広いニーズに対応できるMidi Tote Bag。

春は美麗な色も印象的でしたが、オールブラックもシックですね。

内側両サイドのスナップを接合することでおむすび型に変形させると、渋さが和らぎ可愛らしい印象となります。

本体の生地には1864年創業のスコットランドの生地メーカーHalley Stevensons社製ワックスドコットンを採用し、イタリアにて植物タンニンで鞣した一枚革ハンドルが強固に取り付けられています。

本体もハンドルも、高い耐久性のみならず適度な柔らかさを備え、「イギリスのバッグは重くて硬い」という印象を軽やかに覆してくれます。

こうしたざっくりとしたトートバッグは細々としたものを見失いやすいのが難点ですが、適度なサイズの内ポケットがそれを解決しました。

シンプルながら細部までよく考えられたつくりで、老若男女問わず、多くの方にお薦めしやすい逸品です。

オールブラックのトートとは好対照的に、Kate Sheridanの代表モデルであるOrbed Tab Bagは鮮やかなルビーレッドが登場。


Orbed(球状)の名の示す通りの円みのあるボディに被さる曲線的なフラップ、ふっくらしたカーブを描くつまみタブが、柔和な印象と使いやすさを実現しています。

フラップの裏側と本体はマグネットで軽く固定されていますので、中に収めたものが簡単にこぼれ落ちたりする心配はご無用です。

フラップ、本体ともに、ソフトなイタリア製の一枚革を使用しています。

植物タンニンで時間をかけて鞣し、油分をたっぷり含ませたこの革は、使い込んでいくと適度に柔らかくなって手に馴染み、そして深く美しい艶を湛えていきます。

そしてこの秋は、Orbed Tab Bagをひとまわり大きくしたモデルMidi Orbed Tab Bagも仲間入り。


コンパクトなOrbed Tab Bagが高さ15cm 幅22cm 奥行き7.5cmであるのに対し、こちらは高さ18cm 幅27cm 奥行き7cmで、A5サイズの冊子がすっぽり収まります。

黒に見えますが、ジュニパーベリーの色、すなわち限りなく黒に近い青紫です。

基本構造はOrbed~と同じですが、サイズが少し大きくなった分、機能性も向上しました。

本体のバックサイドには大きめの外ポケット、

内部にはやや小さめの内ポケットが設けられ、

鍵やスマートフォンなどを個別に収めることができます。

Orbed~より長めに設定されたショルダーストラップ。

なお、Orbed~もMidi Orbed~も、ともにバックルで5段階にストラップの長さを調節可能です。
ストラップは、好みや体型によって、それぞれ適正の長さが違うものですから、こうした仕様はうれしいですね。

デザインが甘すぎず、でもちゃんと可愛くて、重くもなく硬くもなく、飽きずに長く使える…そんな厳しい条件でバッグをお探しの方にも、自信をもってお薦めできる子たちです。

オンラインストアはこちらです→
Midi tote Bag ブラック
Orbed Tab Bag ルビー
Midi Orbed Tab Bag ジュニパー

秋の気配 ~ mando/ コード刺繍チェックシャツ

こんなにすっきりと抜けた青空を見たのはいつ以来でしょう。

その答えがもう思い出せないほど、今年の9月は雲に覆われっぱなしで、空同様に気分まで靉靆となるばかりでした。

快晴は夏の暑さと一緒に戻ってきましたが、それでも長雨で加速した秋は止まらず、

雲の形も夏のそれではなくなっています。

明日からまた雨が続くようで、この暑さもすぐに落ち着くとのこと。

今年の秋は、長くなりそうです。



秋めいてくると、こうした煤けたような雰囲気のシャツが魅力的に感じられてきますね。
しかし土っぽい配色のチェックは、ともすれば簡単に汚らしくなってしまうもので、その匙加減にデザイナーのセンスが問われます。

しかしそこはmando。

ほどよい野趣を漂わせながらも、泥臭さ、野暮ったさなど微塵も感じさせません。

この絶妙なカラーリングの生地に塩縮加工を施すことで、さながら長年着込んで柔らかくなり、肌に馴染んだ服のような、仄かな凹凸感のある風合いを生み出しています。

そして胸にはウェスタン調のコード刺繍。

適度に主張を見せつつも、決して悪目立ちしない、とても上品なバランスです。

シャツ自体は程よくスマート、かつ肩の力の抜けたような独特の洒脱なシルエットで、いわゆるアメカジの服とは一線も二線も画します。
袖を通してみれば、着心地のよさ、着用時の美しさにきっと驚かれるはずです。

ますます冴えわたるベテランの妙技、この秋もご堪能ください。

オンラインストアはこちらです→ ベージュ×ブラック/ ネイビー×ブラウン

溜め息の後のインディゴ・ブルーの果て ~ TOKIARI/ TOTEM

今年の残暑はあきらめがよろしいようで、9月初旬にして長雨に秋の気配が感じられます。

ですので、例年ならまだ時期尚早かなと紹介に二の足を踏んでいた本格的な秋物も、気兼ねなく披露できるというものです。

況や、入荷前からお問い合わせをいただいていた型に於いてをや。


TOKIARIの新作TOTEMは、シャツのようで上着に近い、曖昧な服です。

8ウェル(1インチ幅に8畝)の中畝コーデュロイは、しっかりとした厚みとコシ、程よい硬さを備え、やがて来たる木枯らしの季節にも頼りになります。

両脇にはハンドポケット。
上着としての機能に不足はありません。

ボタンには貝殻ではなく重厚感のある水牛の角が採用され、

このしっかりとした生地と見事に調和しています。

それにしても面白いコーデュロイです。

実はこの生地、もともとはオレンジ色。
表面だけにインディゴ染料をコーティングし、洗い加工を施しています。
茶色に見えるのは、オレンジ色の地にインディゴブルーが重なっているからです。

裏面はオレンジのまま残り、畝の隆起している部分以外もインディゴに染まっていませんので、畝の隙間からオレンジ色がちらちらと覗きます。

こんな表現方法があったのか、と、大いに唸らされました。

今回は生産数がかなり少なかったようで、当店に入荷した時点ですでにメーカー在庫は完売、全国の取扱店でもなんとブラウンはこの一着のみしか入らなかったそうです(当店には入っていませんが他店様には裏面がオリーブ色のブラックバージョンもございます)。

もちろん希少性と服の価値は本質的にはあまり関係ありませんが、秋本番にはすでに巣立っている可能性がきわめて大きいと思われますので、気になる方はどうぞお早めのご決断を。

オンラインストアはこちらです

カバンひとつ 夢はふたつ ~ Post Production/ 2 Pocket Tote Bag – Medium

近年の社会や生活様式の変化は実に速く激しく、とくに男性用に顕著ですが、その影響はバッグにも及んでいます。

たとえばオンというよりオフのものとされていたリュックサックも、オフィスのカジュアル化に伴い、いまや金融機関にお勤めの方にまでビジネスバッグの主流と見做されるように。

また、デジタル技術の発達は所持品そのものを小さく、少なく変化させ、充実した収納力を必須の条件とする方もだいぶ減ってきました。
しかしミニマルに徹する方は手ぶら派となり、バッグ自体が不要に。
バッグを持つ以上ある程度所持品を収める機能は求められますので、このバランスが難しいところです。

一方で、装いの一部としての面を重視する方は増えたように感じています。
丈夫で使いやすくて…だけではなかなか選ばれない時代ですね。

いまや、プロダクトとしての品質は言うまでもなく、必要十分な機能性、そして装いの一部として馴染む優れたデザイン性、感情に訴える力、それらすべてを高い次元で満たしていなければなりません。

そんな厳しい条件を軽々とクリアするのが、Post Productionの2 Pocket Tote Bagです。

初登場は昨年でしたが、毎度一瞬で完売してしまうため、弊ブログでは一年経って初の登場となります。

ワックス加工した馬革は、コーティング等をせず自然の風合いを活かした仕上げに。

最初のうちは細かい傷が目立つように感じられるかも知れませんが、いつしかそれも艶と深みのある質感の一部としてまったく気にならなくなるはずです。

開口部には水牛の角を用いたトグルがつき、口を閉じるという実用面のみならず、クリーンな印象のバッグに仄かな野趣味を加えてくれます。

バックルで長さを調整可能なショルダーストラップや

裏張りにはしなやかで強度の高い牛革を採用。

細部に至るまで手抜かりはありません。

裏張りの写真でチラリと見えた内ポケットはあくまで補助的な役割、品名にも冠されている外側のポケットがさらに使い勝手を向上させています。

片方はファスナーつき、片方は敢えてファスナーなしと、セキュリティと出し入れのしやすさを左右で役割分担しており、それぞれ文庫本が綺麗に収まります。

なお、バッグ本体は13インチのノートPCがすっぽり入る大きさです。
PCを入れずとも、日常的に持ち歩く細々としたものはじゅうぶんに収納でき、プラス多少のゆとりもあって、普段使いには最適なサイズ感ではないでしょうか。

サンダルやスニーカーから革靴が装いに馴染みやすくなるこれからの季節にはなおのこと、きっと頼れる相棒となるであろう傑作です。

オンラインストアはこちら→ チーク/ ブラック

SWEET MEMORIES ~ ASEEDONCLOUD/ Railway uniform shirt

ここではない、どこかの話です。

毎年、冬支度をはじめるころ。
ある車掌さんのもとには何通もの手紙が届きます。

ファンレターとかラブレターではなく、どれもその送り主の思い出を綴ったものばかり。

もちろん一方的な自分語りの怪文書というわけではありません。
仕事の依頼です。

その車掌さんは、手紙を読むと行き先と日取りを決めて、当日の乗車券をそれぞれの依頼人に送ります。

依頼人が乗るのは、<憶念車>。

年に数回、こうして人々の思い出の地を走る、不思議な列車です。

乗客は、自分そして他者の記憶を巡りながら一年を振り返り、その旅をまたさらに思い出として、新しい年に臨みます。

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この<憶念車>の車掌さんが仕事着として着ているのが、Railway uniform shirtです。



自然なシボ感のある淡いピンクのコットンタイプライター、

バイオ・シリコン含浸・エアフロー加工と、幾重にも処理を施した風合い豊かなコットンリネンウェザークロス、

生地によってだいぶ印象が変わりますが、型は同じです。

肩線の位置が一般的なシャツより内側に置かれた、立体的かつユニークな構造。

着る人の性別や体型に縛られるのではなく、それぞれの個性に対応できる設計となっています。

メンズのようなレディースのような、どちらでもないような、独特のポジションに立つシャツです。

それでいて、あくまで車掌の仕事着ですから、実用面は抜かりありません。

両脇には縫い目に沿ってハンドポケットが配置され、細々としたものを収めることができます。

ところで、ウェザークロスの柄について「なんだろう…?」と思われる方も少なくないでしょう。

端的にいえば、さまざまな街に向かって駆ける馬を描いています。

少々話が脱線しますが、英国の鉄道は国の事業としてでなく各地の私鉄からはじまり、それぞれに敷いた線路が都市へと向かい、交差するところにハブ駅が建ったそうです。

こうして駅から駅へと走る列車を、馬に見立てました。

インクの滲んだ古い切符のような幻想的なぼかしが、往時の鉄道の記憶をしのばせ、当時を知らないはずの我々の心にノスタルジーを喚起します。

ここにも「記憶」の概念が組み込まれているとは、<憶念車>の車掌の服ならではですね。

ファンタジーと機能性、まさしくASEEDONCLOUDそのものを体現したような、ロマンティックなシャツです。

オンラインストアはこちらです→ ピンク(Railway shirt cloth) / アイボリー(Railway memories print)

みんなのモック 楽しいモック ~ K.ITO/ ウールスムース モックネックプルオーバー

K.ITOの代表作はと問われれば、もちろんその答えは人によって違いますけども、やはりファースロコレクションからの大定番であるウールのカットソーシリーズが有力な候補であることは疑いありません。

しっとりとしたなめらかな質感と優しい肌触り、適度な保温性、高い耐久性、そして着心地。
絶対的な主役というタイプではないやや控えめな存在ながら、これぞベテランデザイナーの技と、プロの仕事を堪能できるシリーズです。

今季は、モックネックが当店に登場。



シンプルにして技巧を凝らした、K.ITOらしいプルオーバーです。

共生地のバインダーネックのような、独特のつくりのネック。

いろいろな服に身体を通してきた方であれば、この時点で「ムムッ」と違いを感じていただけるのでは。

K.ITOの十八番、脇の縫い目がなく、くわえて腕を上げた状態で組まれたパターンワークは、快適な着心地と自由な運動性を生み出します。

脇の代わりに背中で縫合されていて、この服、見れば見るほど面白い構造をしていますね。

厚ぼったくなく、肌当たりが柔らかいため、インナーとして秋冬の名脇役として大活躍することはもう間違いなしですが、こうしたテクニカルな裁断とふっくらした立体的な円みのあるシルエットゆえ、単体で着ても主演として様になります。

ぱっと目を惹く華やかさはなくとも、気がつけば欠かせない存在としてワードローブに定位置を確保しているであろう、優秀なマルチプレイヤーです。

オンラインストアはこちらです→ チャコール/ ホワイト(オフホワイト)