イギリスからの手紙 ~ Kate Sheridan

暖かくなっては寒くなり、寒くなってはまた暖かくなり、カラリとした空気にも湿り気が戻ってきて、と漸う濃くなりゆく春の気配とともに、軽やかなバッグや小物がロンドンから届きました。

当店でははじめてのご紹介となります、Kate Sheridan(ケイト・シェリダン)。
同名デザイナーが2001年に立ち上げた、レザーグッズを中心とするブランドです。

大量生産、過剰消費、高速で移り変わる煽情的なトレンドが当たり前となった時代の潮流に背を向け、シーズンを超えて長く愛用でき、さらに世代を越えて受け継がれてゆくものを目指して活動を続けてきました。

多くの製品は自社工房にて少数の職人の手で、あるいは関係性の深い近隣の小規模な提携工場で、ひとつひとつ丁寧につくられています。

英国製だから良い、という単純な話にはなりませんが、日本製品に日本製ならではの特長が認められるように、英国だからこそできるものづくりにも独特の魅力があります。

くわえて、丈夫で機能的、というだけでなく、デザインがとても上品で柔和、どれもとても優しい表情をしているのも、Kate Sheidanの特徴として挙げられます。

デザイナーのケイトさん自身もとても朗らかな人柄で、彼女のパーソナリティが製品に反映されているのを感じますね。

さて、そんなKate Sheridan、バッグ、小物あわせて5型が入荷しています。

せっかくですから、一気にご紹介してしまいましょう。

まずは、このブランドの代表的モデル、Orbed Tab Bag。

 

後述する商品にも共通していますが、イタリアでベジタブルタンニン鞣しを施された、ソフトな牛革を使用しています。

使い込むほどに深い艶を湛え、しっとりと手に馴染んでいく革です。

裏地のないシンプルなつくりでありながらも、豊かな肉感を備えている革ゆえ、一枚だけでもふっくらとしたボリューム感を実現しています。

フラップはマグネットでしっかりと留まり、

それでいて品名にもなっているタブによって開閉が容易となりました。

ショルダーストラップはバックルで長さの調節が可能、ワンショルダーにも斜めがけにも対応します。

比較的小ぶりなサイズ感ですので、装いを軽くしたいときや品よくまとめたいときなどに重宝するはずです。

このOrbed Tab Bagをさらにコンパクトにしたのが、Half Orbed Tab Bag。

ストラップを除けば基本的な構造は前述のOrbed Tab Bagと概ね同様で、

スマホや小さな財布、鍵程度しか持ち歩かない時などにはちょうどいい大きさですね。

オールレザー以外のバッグにもご注目。

先ほどの2型はその可愛らしいデザインゆえ女性向けでしたが、このMidi Toteは男女ともに違和感なくお使いいただけるはずです。

本体には、1864年創業のスコットランドの生地メーカーHalley Stevensons社製ワックスドコットンを使用しています。

クラウド(青みがかった薄灰色)、ネイビーはあっさりとした質感のものを、チェスナットカラーはオイリーでムラの出た迫力のあるものを、と、色によってワックスの入り具合を変えているのが心憎いですね。

この生地はそれほど厚みはなくとも頑強で、撥水性、耐汚性を備えています。

ハンドルや補強パーツは、英国らしくブライドルレザー…ではなく、イタリアのベジタブルタンドレザーを採用。

雰囲気がマイルドで、ブライドルレザーよりひび割れが発生しにくい特性が活かされています。

この柔軟な発想からも、デザイナーの実力が推し量れるというものです。

バッグ自体は開口部をマグネットひとつで留めるシンプルな構造で、

内部には内ポケットが設けられています。

ちょっとユニークなのが、この両側のスナップ。

これを接合すると、バッグ自体がおむすび型に変化します。

ひとつぶで二度美味しい、そんなトートバッグです。

まだまだ続きます。
小物も見逃せませんよ。

財布は人によって正解が異なるため、これぞ万人にお薦め!というのも難しいのですが、キャッシュレスがここまで普及すると、財布も小さくていいよね、というスタイルは確実に増えています。

そんな方には、このLoux Walletを。

糸を使わず、リベットとギボシだけでつくられた簡素なつくりながら、

コンパクトなボディのなかに三層が構成されています。

財布同様、ごくシンプルな構造で、かつじゅうぶんな機能性を備えているGlasses Case(眼鏡ケース)は、色バリエーションも豊富にご用意しました。

老若男女も問わず、飽きることなくじっくりと付き合っていけるデザイン、そしてそれに応えてくれる上質な素材。

それでいてほっこりしたクラフト感が薄く、洗練された印象にまとまっています。

このように、バッグ、小物とどれも自信を持ってお薦めできるものばかり。

春は新たな生活、新たな交流の季節です。
せっかくですから、持ち物にも新たな出会いを取り入れてみませんか?

オンラインストアはこちらです→
Orbed Tab Bag ブラック/ オリーブ/ ペトロール
Half Orbed Tab Bag チェスナット
Midi tote クラウド/ ネイビー/ チェスナット
Loux Wallet トリュフ/ パティ/ ペリウィンクル
Glasses Case ブラック/ チェスナット/ キャラメル/ パティ/ ペトロール

ハバナ奇譚 ~ mando/ バンダナジャカード キューバシャツジャケット

mandoの服の魅力をひとことで言い表すのは難しいのですが、なかでも独特のミクスチャー感覚には毎度唸らされます。

「ドレス×ストリート」とか「オーソドックスなデザイン×最高級の素材と仕立て」といっただれでも思いつくようなクリシェではなく、さまざまな概念、カテゴリーのエッセンスを軽やかに混ぜ込みながらも「まさにmando」としか言えないオリジナリティに着地させる、そのノーボーダーかつ芯の通った服作りの感覚は、ブランド発足から30年近く経ったいまもなお研ぎ澄まされる一方です。

今季の新作であるこのシャツジャケットも、そんなmandoらしさが凝縮されています。


どこから説明を始めればよいのか、まず服としては、ご覧の通りいわゆるキューバシャツをベースとした、開放的なシャツジャケットです。

遠目で見ると無地のようで、近づいてみると緻密なバンダナ柄が全体を覆っており。

その柄もプリントでなくジャカードで織り込まれているのだから、驚く他ありません。

ポケットの異素材使いが、この柄を穏やかに引き立たせます。

さり気なく、しかし効果的、ベテランの妙技ここにあり。

それにしても、総柄のみならず繊細なプリーツや生地のコンビ使いまで駆使し、いくらでもうるさくなりそうなものですが、この端正な統一感はどうしたことでしょう。

着用時の上品かつ肩の力の抜けた洒脱なプロポーションに至るまで、これ見よがしなノイズを感じさせない、大人のための一着です。

ふだんの装いに、それこそ無地の上着を羽織るような感覚で、気兼ねなくお使いいただけます。

「ホントに~?」とお疑いの方は、是非店頭でお試しください。
誇大な表現でもなんでもないことは、ただちにご理解いただけるはずですよ。

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ソルジャー・オブ・ラヴ ~ written by/ Military Coat

昨今ファシズムの再興めざましく、日に日に国内外の情勢が不穏になるにつれ、ファッションとしてのミリタリーウェアの「意味」も否応なしに強まってきています。

ミリタリーウェア、国家が莫大な予算を投じて設計しているものであるがゆえに純然たる機能美を備え、ゆえに回り回って平時の服となるのも必然ではありますが、そのすべてを否定するのはナンセンスであるにしても、せめて「意味」は意識していたいと、衣料品販売業者の端くれとして思うところです。

さて、ミリタリーウェアを平時の服として扱うにはいろいろなアプローチがありますが、このように徹底して換骨奪胎してしまうのもひとつの手段でしょう。


いわゆるM-47フィールドパーカあたりを下敷きにしてはいそうですが、それにしても何とも攻撃性の低いミリタリーコートです。

2017年に“After Wars”をテーマとしたコレクションを発表したこともあるほど、以前から戦争と平和について常に意識を向けて服を作り続けてきたwrittenafterwards。

ミリタリーウェアに対して単に「カッコいいから」というだけの純朴な目線は向けず、その機能美だけを抜き出しながら、デザインの力で硝煙と血の臭いを見事に消し去ってしまいました。

高密度に織られた馬布は、そのハリの強さが服全体に硬さを与えるどころかふくらみを支え、柔和な印象に一役買っています。

気兼ねなく使える耐久性、等身大の清潔感もまたこの生地の特徴です。

ディテール上、アクションプリーツや

フィッシュテールといった「文法」は踏襲しているものの、

デフォルメと表現したくなるほど大ぶりのボタンが服に可愛らしさを加え、武骨さを抑え込みます。

それでいて前立てのボタンを外すと

そこに現れたるは迫力のあるビッグサイズのUNIVERSALファスナー。

衣料品に使われているのはあまり見たことがないくらいの大きさで、言うまでもなくたいへん武骨なディテールでありながら、その極端さが逆説的に不思議なユーモアも生み出しています。

名前を出していいのかダメなのか判断つきかねるためひとまずは伏せつつ、先シーズンよりチームに加わった山縣さんの旧友デザイナー氏は、長年にわたりYKKのアドバイザーも務める、いわばジッパーのプロフェッショナルでもあります。
そんな氏ならではのアイディアが光りますね。

蓋し、軍事は古来より科学技術の向上に大きな役目を為してきました。

また個人間と異なり国家間に友情など存在しない以上、ある程度の武力による防衛というものは残念ながら必要不可欠ではあります(たとえば3月にイベントを開催する横須賀は、地理的に東京湾の入口に位置するため江戸時代から重要な国防拠点でしたし、現在も日米が艦船を置く現役の軍港です)。

が、かの『孫子』でも述べられているように、実際に武力を以て相手を制するのは望ましいことではなく、現実問題として国の都合で多くの人の命を奪う戦争は、下策であり絶対悪であると見做すべきでしょう。

しかし、個人として抗うこと、戦うこと自体まで絶対悪ではありません。

昨今は近隣諸国、なかんづく中国の脅威を過剰に煽り戦意を昂揚させるような言説が、お上から民草に至るまで勢いを増していますね。
が、結局のところそのように戦争を利用するだれかによって脅かされるのは個人の尊厳や生活であり、そのとき直接的暴力を以てでなくとも抗い戦うことを否定すべきではないと考えます。

このコートは、そうした戦いへの戦いのための、その姿勢を表す戦闘服になり得るのではないでしょうか。

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GO NEXT! ~ あなたの街のユーフォニカ(横須賀篇)

昨年はやや控えめにしていましたが、今年からまた頻度を増やしていきます、出張ユーフォニカ。

というわけで、大阪から帰ってきて早々に、次の開催の告知をさせていただきます。

前々回の横浜市内前回の大阪、そこに続くは近くて遠い横須賀です。

会場は、昨年9月にオープンしたばかりのギャラリーSoltice(ソルティス)

〒238-0017 神奈川県横須賀市上町1-45 2階
(京急 横須賀中央駅西口から徒歩5分程度)

会期と営業時間は下記の通りとなります。

3/7 11:00-19:00
3/8 11:00-19:00

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同じ神奈川県内、しかも横浜と隣りの市、おまけにどちらも港街、何なら県外の方にはしばしば「横浜≒横須賀」とまで勘違いされたりしますが、実は両者はあまり似ていません。

同じ港でも貿易港である横浜に対し、横須賀は主に軍港とともに発展してきた街で、ファッションやカルチャーもそうした歴史的背景に基づいています。

そんな横須賀ですが、住民の高齢化や工場の閉鎖が相次ぎ(最近でも日産の追浜工場での車両生産終了がニュースになっていましたね)、人口減少や空き家の増加が社会問題となっています。

しかし一方で、そんな状況だからこそ、若い人や挑戦したいという人にとってはチャンスが開かれている土地でもあります。

近年、格安の空き物件を利用して何かを興したいという人たちが増加、その増加が好循環を生み、新たなシーンが生まれつつあります。
往時のモンパルナスやソーホーと似たような現象が起きているわけです。

今回の会場も、そのようにして生まれました。

1階には、選りすぐりの古着とオーナー自身の手によるハンドメイドの服を提案するatelier FAMさんと

生花、ドライフラワーや花器などを取り扱うフラワーショップMaree Chanterさんが併設し、

このとても素敵な空間の真ん中を抜けて

奥の階段を上がると、

そこがSolticeです。

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イベントでのお支払いにつきましては、
クレジットカード(一括払い)
または
キャッシュレス決済(Paypay、メルペイ、d払い)
のみの対応となります。

なお、出張店につき、プレゼント包装は承っておらず、お渡しも紙袋のみの簡易的な形とさせていただきます。何卒ご容赦ください。

また、イベント開催期間の3/7-8は、仲町台の店舗は休業となり、通販でご注文いただいたお品の出荷もお休みさせていただきます(ご注文自体はいつも通り承ります)。
こちらもどうぞご了承願います。

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この横須賀の街で、いったいどんな化学反応を生み出せるのか、とても楽しみです。

近郊の皆さま(もちろんお越しいただけるなら近郊以外の方々も)、どうぞ宜しくお願いします!

もしもピアノが弾けたなら ~ EEL Products/ Piano Jacket

2月も中旬ともなれば、昼の陽射しはだんだんと強まり、空気自体が日に日にどこか色づいてきているように感じます。

春はもうそう遠くないようです。

店頭の様子も、冬から春の始まりへとゆるやかに移行しています。



おなじみEEL Productsの新作Piano Jacketは、来たる麗らかな季節にぴったりのジップアップブルゾンです。

ウール×ポリエステルのサマーウール生地を使用し、一枚仕立てでつくられています。

遠目から無地に見えそうなくらい渋いチェック柄は、ポップに偏らず、しかし軽やか。

たしかにこの服を楽器に例えるなら、エレキギターやドラムといった激しさより、ピアノの音色が相応しいような気がしますね。

生地同様、服そのものもシックでありつつもシックすぎず、ややゆったりめのボキシーなプロポーションはEELらしく緊張感を与えないバランスです。

ポケットはシンプルにパッチタイプ、

袖口はカフス×剣ボロ×貝ボタンのシャツ仕様と、全体的に重厚さを極力排除したデザインにまとめられています。

その一方で、ファスナーのスライダーは流線型の優美な形状。

この緩急、強弱もまた、実に音楽的ではないでしょうか。

冬はどうしたって防寒などの実用性を重視してしまいますが、そこからちょっと解放される春の服選びは、感覚的で愉しいものですよね。

オンラインストアはこちらです→ ネイビー/ ブラウンブラック

めづらしきあづま男をこそ御らんぜられ候はんずらめ ~ KIMURA/ double breasted pincurl long coat

全国の酔狂なる読者の皆様、先日の大阪出張レポートにて、チラリチラリと写っている謎コートにはお気づきになられましたでしょうか。

これぞ、西国の方々に是非とも提案したかったもののひとつです。


横浜のEuphonicaが川崎のKIMURAに別注して生まれた、言うなれば神奈川スペシャル。

KIMURAの木村さんも縫いながら「これはかなり佳いのでは」と思ったと吐露したほどの完成度、とくとご覧ください。

型自体は、以前ご紹介したダブルのコートと同じものを採用しています。

いわゆるアトリエコート的なデザインで、

実用的な大ぶりのパッチポケットが設けられています。

胸ポケットは表側でなく内ポケットとして設けられています。

生地は、コットンリネンのムラ糸を用いた平織生地。

ちなみに、インディゴの経糸は、薬剤の使用を抑え、生産工程で二酸化炭素の排出を軽減したエコロジカルな手法で染められているそうです。

この生地の色に合わせて選ばれた茶色いナットのピンカール式ボタンがまた味わい深い。

品名にpincurlが挿み込まれるほど、実はこのコートの大きな特徴だったりします。

と、ディテールひとつひとつはKIMURAにしては外連味を抑えていますので、「ふつうのコート」と思われる方もいらっしゃるかも知れません。

そんな方こそ、是非一度袖を通してみてください。

ああ、KIMURA、まさにKIMURAとしか言えない、そのスマートな立体感、類を見ない美しいシルエットに、きっと唸るはずです。

サイズは3と4の2サイズ展開、各1着のみお作りしました。

まだまだ寒さも厳しい時期ではありますが、春本番が来る前に、どうぞご検討を。

オンラインストアはこちらです

臨時営業のおしらせ

2/11(水)は、本来定休日ですが、祝日につき12:00-20:00の時間帯で臨時営業致します。

お仕事上の都合等でふだんなかなかご来店いただけない方もいらっしゃるかと思います。
もしタイミングが合うようであれば、是非お越しください。

皆様のご来店、心よりお待ち申し上げます。

仲町台に帰ってきました ~ 出張ユーフォニカ大阪篇・2 レポート

プライベートでも出張イベントでも全国のいろいろな土地を巡ってきましたが、大阪に感じる異国情緒は、特別なものがあります。

それはいわゆるエスニック的、欧州風といった表面的な「外国らしさ」ではなく、沖縄や鹿児島のように気候や風土がもたらす差異でもなく、文化そのものの根本的な異質性です。

もちろん、ネガティブな意味ではありません。
その躊躇のないエネルギーが、大いに刺激を与えてくれます。

というわけで、大阪から戻ってまいりました。

大阪、お昼ご飯にフラリと入ったうどん屋さんのメニューを見ても、どんなものか想像もできない品名(たとえば「はいから」「かちん」など)がいくつもあり、こうした戸惑いも愉しいものです。

日和って注文した天麩羅うどんも、海苔の天麩羅が載っていたりと、また面白い。

そして、たいそう美味しい。

「食い倒れの街」の名は伊達ではありませんね。
ほんとうに、どこに行っても吃驚するほど美味しいものをいただけます。

おっと、大阪来訪のメインの目的は観光やグルメではなく、出張ユーフォニカです。

今回も会場はLEGAREさんですが、

前回と異なり1階のギャラリーi GALLERYが開いています。

陶芸家・穴山大輔氏の個展『塩梅 -ANBAI-』。

さまざまな素材や釉薬を活かしたたくさんのだるまさんたちが整然と並び、壮観です。

ずっと見ていると、だんだんとかわいらしく感じてきますね。

本展は2/16まで開催中ですので、大阪および近郊の方は是非観に行ってみてください。

前回は初の出張ユーフォニカだったこともあり、いろいろと段取りも手探りでしたが、さすがにもう8回目です。

会場のスケール感も把握していますので、無駄なく設営を済ませることができました。

LEGAREさんはスーツのオーダーサロンだけあって服の陳列がしやすく、そしてその重厚な内装によって、同じ服でも仲町台の店と見え方が変わります。

準備は万端です。

LEGAREのお二人と、何もかもが美味しいおばんざいで明日への活力をチャージ、胃袋はすっかり大阪に染められています。

翌朝、例によって早起きしてしまったので、大阪での成功を祈念すべく、当地では有名と噂に聞くサムハラ神社へ。

ご利益の実例集と思しきものがズラリと並んでいますが、かすれていてよく読めません。

とにかくパワフルな神社だということは伝わります。

その恩恵に預かろうと、念を込めてお参り致しました。

難波、道頓堀と、あちこち街を散策しているうちに、そろそろお昼時です。

店主、どこかへ出かけるにあたり、とくに食事についてはあまりリサーチせず、一期一会を大切にするスタンスなのですが、今回ははじめましてでもありませんので、珍しくグルメガイドなんてものを事前に買っていました。

そこで知ったのが、インデアンというカレー店です。

なお、この本は昭和37年(1962年)発行につき、少々情報が旧いのが難点だったりします。
しかし逆に、いまも現存しているということは60年以上この食の街で愛され続けているわけです。

生粋の大阪人であり大のカレー好きであるLEGARE社長の水野さんをして、「大阪で一番か二番」と言わしめるほどのお店でもあるとのことで、これは行かないわけにはいかないでしょう。

ムムム、たしかにこれはスバラシイ。
スプーンを口に入れたときにまず感じる強い甘さ、その直後にガツンと攻めてくるスパイスの刺激、そして最後に抜ける旨味、清涼な後味。

気合に満ちた状態で、初日を迎えることができました。

Twitterで知り合った方や前回もお越しいただいた方など、うれしい再会を愉しみながら、あっという間に時間は過ぎていきます。

その夜はATOZデザイナー吉岡氏と、駒川の素敵なセレクトショップRÜCKWÄRTSオーナーの嶋岡さんとの3人で、美食の夜を。

Z世代の若人を置いてけぼりにおじさん二人で『コンプRPG』や『エルリック・サーガ』などのオールドスクールな話をしたりしていると、いつしか7時間が経過していました。

総理大臣の暴走による中国との関係悪化で観光客が減ったのもあってか、意外と静かなミナミの夜です。

これぞ大阪、なコッテリした客引きも2年前に較べて少なくなったような気がしました。

翌朝、宿のチェックアウトを早々に済ませ、40年ぶりの大阪城観光に。

雪がちらつく大阪城。

まさに気分は冬の陣、と思いかけましたが、別に大阪には攻め入りに来たわけではないので、そんな不適切な表現は止しておきましょう。

あくまで場所をお借りする立場です、太閤秀吉にあやかるべく、敷地内の豊國神社で2日目の成功を祈願しました。

衆議院選の投票日でもある2/8。
結果はまあ、皆さんご存知の通りですね。

雪で冷えた体をラーメンで暖め、

いざ2日目。

学生時代からの旧友やはじめましてのお客様など、天候の悪い中足を運んでもらえたのはとてもうれしいことです。

そんなこんなで瞬く間に時は流れ、2度目の大阪開催も無事閉幕。

あとはもう新幹線に乗るだけ、新横浜から仲町台までは3駅ですし、自宅も仲町台駅から徒歩圏内ですから、すでに気分は半ば自宅です。

最後に大阪の街を満喫すべく、心斎橋から梅田まで御堂筋をテクテクと歩いていくことにしました。

河はいくつもこの街流れ、

恋や夢のかけらをみんな海に流していきます。

Hold me tight.

ところで、この日は大阪に限らず全国的に雪でした。
今回のイベントでは雪のため県外からお越しいただけなかった方がいらっしゃったようですし、仲町台も積もったと聞きます。

それが、新幹線の運行にこれほど影響するとは、と、ひどく思い知ることになりました。

ほぼ目と鼻の先のような距離のはずの新大阪から京都まで45分ほどかかり、到着予定時刻を過ぎてもまだ名古屋あたりです。

終電にはだいぶ余裕をもって指定席を予約したのですが、最終的に75分の遅れとなりまして、新横浜駅に到着するころにはもうタイムオーバーでした。

そうか、じゃあタクシーかな、と思っていたらこれがまた甘い。
100人、あるいはそれ以上の大行列が、まったく気配を見せないタクシーを待っています。

え、ちょっと、まさか、これ。

新横浜から歩いて帰らないといけないってことですか。

先ほど、「新横浜から仲町台までは3駅ですし、自宅も仲町台駅から徒歩圏内ですから、すでに気分は半ば自宅です」と書きました。

が、新横浜から徒歩で帰宅となると話は別です。

「なぜこんな深夜に日産スタジアムにいるんだ…」と、状況に混乱しながらも、とにかく進むしかありません。

而して、涙も凍てつく冷たい夜道をおよそ1時間半歩き続け、

這々の体で家に辿り着いたのは午前2時。

なんとか無事に生還し、こうしてキーボードを叩いております。

そんなおまけの蛇足エピソードはともかく、大阪での3日間はとても素晴らしく有意義なものとなりました。

あらためましてLEGAREのお二方、ご来場の皆さま、大阪で出会ったすべての方々、素敵な時間を有難うございました!