そろそろこの街に キミと近付ける季節がくる ~ ASEEDONCLOUD/ Duffle smock coat

渡し守の妻は、夫が着ていたコートを自分のものにしてしまったようです。

ASSEDONCLOUDの今季の物語については以前のブログをご参照いただくとして、もともとダッフルコートやダッフルスモックは海軍が使っていたものですから、着やすいように大胆なカスタムを施したとしても、どこかに潮の匂いが漂います。

英国MOON社製のヘリンボーンツイードを使用したこちらのコート。
トグルは襟元のひとつだけ設けられていますが、前立ての中でしっかりとボタンで留める構造につき、冷風は中に入り込んではきません。

男性用のコートを無理矢理女性が着られるようにした形状で、袖は折り返してあり、たっぷりとした身頃はベルトでぎゅっと絞って着ます。

ユニークな仕様として、入り口がふたつあるハンドウォームポケットには言及せずにいられません。

外から見ると左右ともに2つずつのポケットが重なっているように見えて、実は左側は中でひとつになっています。

左側にパートナーがいれば、そのパートナーは腕を組んだときに右手をこのポケットの下段にすべり込ませることができます。

すると、ポケットの中でひっそりと手を繋げるわけですね。
もう、どこまでもロマンティックなデザインです。

オンラインストアはこちらです


コートにまつわる特別寄稿 ~ Pt.2 松尾翼氏(Itheセールス・PR)

来たる外套フェアに向け、当店でお世話になっているブランドの方々に、それぞれの視点、感覚での、コートにまつわるミニコラム的な文章を書いていただく短期連載企画。

第二回は、Itheの広報である松尾さん。

広報としての仕事のみならず、一番のItheのファンとして、企画の立案作業にも関わっている人です。

「人はなぜコートを買うのか?」
その問いに対するひとつの解答が、こちら。

コート、特に外套とも呼ばれるオーバーコートはまさに前時代的なものだと思う。生地が分厚くて嵩張るし、そのぶんだけ肩にずしりと乗る重さもある。そのうえ買うに勇気のいる金額であることも少なくない。
個人的にもよく話すのは、都会で最も快適に過ごせる冬の装いは長袖のTシャツの上にダウンジャケットを羽織り、その脱ぎ着だけで体温調整をするということ。他にも軽くて暖かく、しわにもならない安価な服がいくらでもある現代になって、それでもどうして人はコートを選りすぐるのだろう。その様子には、人はコートを着ることに便利さを超えたよろこびを見出している気さえする。

コートは言わずもがな、あらゆる服の上に重ねて着るもの。つまり、その人の最も外側の皮膚と言えるのがコートであり、それは周囲から見ればその人自身を表すものであるということ。羽織ると背筋が伸び、自分に自信が湧いてくるようなコートが良いコート、という個人的な感想かもしれないけれど、たしかに自分を守り、ある時には鼓舞してくれるような頼りがいをコートには感じるのだ。

コートに対する思いは作り手にとっても同じこと。ファッションブランドが提案する秋冬のコーディネートには必ずと言っていいほどコートが登場する。あらゆる服の上に重ねて着るコートはそのブランドの顔である。歴史を振り返ってみても、一時代を築いたブランドにはすべからず名作と呼ばれるコートがある。だからファッションブランドにとってどういうコートをデザインするかと言うのはある種の意思表明でもあるし、その哲学や姿勢がもっともよく表れる衣服だとも言える。

着る人にとっても作り手にとっても特別な意味を持つ衣服であるコート。どのコートを買うか、という問いは深く難しいけれど、その悩みこそが何にも替えがたいファッションのたのしみでもある。そして、コートとの付き合いは多くの場合1年や2年では終わらない。10年、あるいは”時間に耐えうる永続性”を持つ衣服を揃えるEuphonicaで買うコートは生涯の良きパートナーとなることすらあるかもしれない。
悩ましいコート選びを、どうぞお楽しみください。

松尾 翼


やがて 君は鳥になる ~  Olde Homesteader/ EXTRA COTTON FLEECE Y NECK LONG SLEEVE

本日SNSで流れてきたネットメディアの記事に、思わず声が出ました。

内田理央、本気でTシャツビジネスに挑むVol.3 yutori片石社長「ファッション界は気合いが足りない」

内田理央さんといえば、少し前に当店の斜向かいのハワイアンカフェLaule’a Rainbowの店長役としてドラマ『向かいのバズる家族』主演を務めていましたけど、それはまあさておき、煽情的な見出しにも引用されていたインタビュイーの方のこの発言には驚きを禁じ得ませんでした。

正直、ファッション業界には気合いが入っている人がいません。簡単に作れるものは作るんですが、服のクオリティーを上げたり、お金を稼いだり、本気でファッション業界で勝負をかけている人はいないですね。資金によって洋服のクオリティーも変わってくるので、規模が小さいと同じような物しか作れない。逆に大手は作れるものは沢山あるけど、現代風の見せ方や売り方が分からないからインターネットビジネスに弱い。両立できている会社やブランドはほとんどありません。

氏の仰る「ファッション業界」は、おそらくはインフルエンサーをうまく利用して、SNSやYouTubeとかで商材を跳ねさせる情報ビジネス的な手法をとる界隈を指しているのかなと思いつつ、その批判の矛先たる主語の大きさに、このスウェットを生み出した熱い男の濃厚な面影が目の前にチラつくばかりです。



昨年秋に鮮烈なデビューを飾り、今年もご好評いただいております、Olde Homesteaderのスウェットに、新型が加わりました。

試行錯誤を重ねようやく実現に至った渾身の裏起毛生地は、ふっくらとした質感と高い強度を兼ね備えています。

リブは縫い目がない構造ですので、伸縮が接ぎ目で遮られず、実にのびやか。

もちろん、簡単にはでろでろに伸びたりしません。
長く、フィット感を愉しめます。

そして最大のデザイン的な特徴、VネックならぬYネック。

比較的詰まった襟周りは首に沿ってやや立ち上がり、クルーネックにくらべ防寒性に優れています。
また、生地の重なりが完全に固定されていないため、着脱しやすいのもうれしいですね。

中には、カットソーに限らず、襟のある布帛のシャツあたりを着ても面白そうです。

このスウェットを企画していたときもそうでしたが、デザイナーの福原さんはいつ会っても目を血走らせ、新しい服づくりに夢中になっています。
机上のデザインやマーケッティングだけでなく、関わる人を最大限にリスペクトしてさまざまな現場に足繁く通い、ただひたすらに高みを目指し続けた結果が、OLDE THINGSの服というわけです。

彼のような煮えたぎる人間を目の当たりにしたなら、とてもとてもファッション業界には気合いが入っている人がいないとか、規模が小さければ同じようなものしか作れないなんて言えませんよ。

オンラインストアはこちらです→ トップチャコール/ エクリュ

Olde Homesteaderのデザイナーへのインタビュー記事はこちら


コートにまつわる特別寄稿 ~ Pt.1 乗秀幸次氏(HAVERSACKデザイナー)

来たる外套フェアに向け、当店でお世話になっているブランドの方々に、それぞれの視点、感覚での、コートにまつわるミニコラム的な文章を書いていただくことになりました。

記念すべき第一回は、HAVERSACKのデザイナーである乗秀さん。

シャイであまり表には出てこない方ですが、快く引き受けていただけました。

それではどうぞ!

Coatは男性のワードローブで一番、色気のあるアイテムであると思います。
特にバックスタイルの佇まいには惹かれます。

例を上げれば
映画『パリの恋人』1957年では
フレッド・アステアのバルカラーコートの襟の立て方や
ドレープなどがエレガントで印象に強く残っています。

『第三の男』1949年では
イギリス占領軍の少佐役のトレバー・ハワードが
タイドアップスタイルにダッフルコートを羽織っているスタイルは
今の着くずしや、ドレスダウンの参考になると思います。

また、生地を多く使用するアイテムのため
素材は、上質かつ堅牢性のある物を選ぶことをおすすめします。

乗秀 幸次


ただ あなたにだけ届いて欲しい ~ SIDE SLOPE/ Mongolian Yak Knit Turtle

実は、昨日公開されたFACYの記事で登場したニットのなかには、まだ幣ブログにてご紹介できていないものもございます。

どれだけブログの更新が入荷に追い付いていないかが顕わになってしまい、お恥ずかしい限りですが、現実を受け止めつつ粛々としたためていくのみです。

というわけで、このSIDE SLOPEのタートルネックもまた、FACYの記事の後追いのような形でご覧いただくことになります。

モンゴルで放牧されているヤクの毛を使った、タートルネックセーターです。

遊牧民の手で丁寧に採取されたその毛は、驚くほど柔らかく、軽く、そして暖かい。
くわえて、これはまさに現地の環境ならではといいますか、野生の狼の鼻に察知されぬよう、天然の消臭機能が備わっています。

また、毛の色の美しさも特筆すべき点でして、このココアブラウンは無染色、つまりヤクの毛の色をそのまま活かしました。

もう一方のピンク×ブラウンは、無染色の糸と、ピンクに染めた糸をかけあわせたもの。

絶妙な混ざり具合が生み出す奥行きは、素材の品質の高さを雄弁に語ります。

そして、このヤクを使っていいセーターを作りました、で済まさないのがSIDE SLOPEの憎いところです。
細かい仕様やサイズバランスで、さらなる高みへと昇華させてしまいました。

ボリューム豊かな高めのタートルネックは、ふんわりとやさしく首を包みこんでくれます。

裾と袖口はリブではなく、裁ちっぱなしのような形状に仕上げられ、軽快な印象となっています。

ちなみに、無染色のほうが若干軽量でして、着てみるとほわっとあたたかい空気そのものを纏っているかのような錯覚に陥ります。
片や、ピンクの混ざった美麗な色調もたまらなく魅力的で…
それぞれの佳さゆえに、選ぶのも一苦労させられそうですね。

ともあれ、まずは一度体感してみてください。
この冗長な紹介文なんかより、はるかに伝わるものが大きいはずです。

オンラインストアはこちらです→ ココアブラウン/ ピンク×ブラウン


FACYにてニットについての記事が公開されました

昨日外套フェアの告知をしたばかりで妙なタイミングになりましたが、FACYにてニットの紹介記事が公開されました。

“いいニット”は何が違う? ニット好き店主によるとっておきのニット案内。- FACY MEN

しっかりしたインタビューを経た記事で、単に商品紹介に留まらない、充実した内容となっています。

どうぞご覧ください!


外套フェア開催のおしらせ

少しずつ冬の気配が色濃くなってきたところで、イベントのおしらせです。

来たる12/11(土)~12(日)の2日間にわたり、当店にて外套フェアを開催することとなりました。
今回はブランドではなく、コートそのものにフォーカスした内容です。

期間中は通常商品はもちろん、イベント期間限定のコートを陳列・販売致します。
当店取扱ブランドの直営店限定品、いまは手に入らない過去のアーカイブ品などなど…

また、前回ご紹介したHAVERSACKのダッフルコートの、来年秋冬に向けての受注会も同時開催。

来年の新色であるグレーベージュのみならず、

10着のみの限定色であるピューリタンレッドも、先行してオーダー可能です。

期間中は、HAVERSACKからデザインアシスタント/生産管理担当の村松さんもお越しいただきますので、コートのご相談に限らずHAVERSACKのものづくりについてなど、どんどんお訊ねください。

今後、イベント当日に向けて、取引先ブランドのデザイナーさんによるコートにまつわるミニコラムなどをこのブログでも発表していく予定です。
どうぞお楽しみに!


羊は安らかに草を食み ~ Ithe/ No.28-48-HTO

その完成度の高さから多くのお客様に愛され、いつしか「イザT」と呼ばれるようになっていたNo.28-HTO。

長袖バージョンであるNo.28-48-HTOもまた見逃せぬ逸品です。

いままで色を問わず、ワンピースに使われるほどハリのある凛とした生地が定番的に使われてきましたが、この秋冬は新しい試みとして、メリノウールが採用されました。

登山やキャンプなど、アウトドアを嗜む方には、肌着や靴下の素材としてお馴染みのメリノウール。
寒い日には暖かく、暑い日には涼しく感じられ、また天然の消臭効果も備えているなど、ハイテク素材を上回る機能性を誇ります。
もちろんウールと聞いて聯想する不快なチクチク感などほぼありません。

今季Itheの提案はネイビーでしたが、当店限定で特別にホワイトバージョンを作ってもらいました。
ホワイトと言っても温かみのあるオフホワイトで、肌着としても使いやすい色目です。

仕様はいつもと同じく、共生地のバインダーネックに

1980年代のヘインズから引用した天地引き縫いの裾と袖口。

着心地を損ねるうなじのブランドタグは排され、洗濯表示タグと兼用されました。

このタグの位置も通常より下に縫い留められ、肌に直接触れず肌着やパンツに当たるよう考慮されています。

気になる洗濯についてですが、特殊な加工が施されたウォッシャブルウールにつき、家庭の洗濯機が使用可能です(裏返してネットに入れ、できれば短時間で済ませてください)。

手前味噌ながら、別注で終わらせるのが惜しいほど使い勝手の良い一枚となりました。
寒さが増し、こうしたカットソーが重宝するこれからの時期、是非ともお役立てください。

オンラインストアはこちらです


今からすぐに始めようか 不思議な感じの二人の旅 ~ GREEN THOMAS

長くご愛顧いただいているお客様ならご存知の通り、当店では年々インポート商品が減少傾向にあります。
しかし何かしら通じるものがあるのでしょう、なぜかスコットランドからは流れが途切れません。

今回ご紹介する大判のニットストールもまた、かの国からやって参りました。

当店では初のお披露目となります、GREEN THOMAS。

グラスゴーに拠点を置く、Emma GreenとAlan Thomas Dibbleによるデザインユニットです。

二人の出会いは1992年のセントラル・セントマーティンズに遡るそうですが、このブランド自体はまだ若く、当店と同じく2015年にスタートしました。

グラスゴーのブランドらしい美麗な配色とクールなモダンさを特徴とするそのデザインは、時代に左右されず長い期間の愛用に応えてくれます。

この大判のストールは、その大きさ(220 cm×55 cm)ゆえに巻くだけでなく肩に掛けたり、あるいは室内でブランケットストール代わりにも使用できます。

ニットの産地として名高いスコットランドのブランドですから、当然品質も抜群。
具体的な名称は公表されていませんが、1766年創業の英国の糸メーカーによる発色と手触りに優れたラムウールをふんだんに使用し、スコティッシュ・ボーダーズのどこかにある小さな工場で丁寧に編みたてられています。

少しずつ空気も冷たさを増してきて、こうした冬小物がだんだんと魅力づいてきました。
寒いのはちょっといやですけど、装いの面では愉しい季節ですね。

オンラインストアはこちらです→
CHEVRON SHAWL DENIM MARL/ CHEVRON SHAWL PINK MARL