夜露に濡れ その葉をたたむ  ~ beta post/ folding line half sleeve shirt

東海地方以西のほとんどはもう梅雨入りしたらしく、横浜もおそらく今週末には足並みを揃えそうです。

早いは早いのですが、そうは言っても明後日から6月。
気がつけば梅雨の先の夏がそう遠くないところに見えてきました。

夏物のご紹介を加速せねばなりませんね。

夏といえばリネン、夏といえば半袖、と聯想される方は少なくないはず。
それはこんな一枚でしょうか。


絣のような風合いの浅緑が目にも肌にも涼しいリネンで仕立てられた、まさに夏の一枚。

たっぷりと生地を使ったオーバーサイズなつくりは風通しのよさを生みます。

と、もちろんこれだけでじゅうぶん提案に値するのですが、しかしそこはbeta post。
ただ「いい服」で終わらせる気はないようです。

近づいて目を凝らして見ると、

シャツの前後、同じ位置に、刺繍でラインが引かれています。

この線にあわせてシャツを畳んでみると…

驚くほどのおさまりのよさ。

そう、この刺繍は収納時についてしまう畳み皴に沿っています。

通常、この畳み皴は着用時にネガティブな要素です。
当店でも、納品された服を撮影するとき必ずスチーマーでこの皴を取っています。

しかし、「収納する」ことに関して偏執的な今季のbeta postは、この皴に新たな意味を付与してしまいました。

ただ正直なところ、この刺繍に関して、畳むガイドラインとしての機能、その利便性を殊更強調するつもりはありません。
しかし、いままで気づけなかったであろう視座の価値は、ときに機能のそれを超えるものです。

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涙のキッス ~ Post Production/ Tear Pumps

近年のジェンダーにまつわる価値観、感覚は、個人の枠を超えて、社会の土台から変わりつつあるように感じます。

少し前までは、たとえば服に於けるジェンダーレス、ユニセックスといった概念は、男女ともにメンズの様式に統一したり、あるいは男性服を極端にレディスに寄せたりと、「男性的な」力強さを伴いがち(たとえ後者のパターンであったとしても)でした。

それはおそらく一種の変革であり、闘争であり、ゆえに明確な意志とエネルギーを要したからなのかも知れません。

ところがこのところは状況が違うようで、ジェンダーの壁を越える、というよりも、壁自体がなかったかのような軽やかさが感じられます。

女性のファッションが男性的な要素を採り入れるのは以前からですが、たとえば若いヘテロ男性がごく自然に、何らかのメッセージ性を帯びることなく、お化粧をしたりパールのネックレスを身につけ、それが当たり前の装いとして受容されているのは、そうした変化の顕れではないでしょうか。

そこまで先進的にならずとも、自らの男性性(あるいは女性性)を否定せず、もちろん他者のそれも否定せず、自身と相対するジェンダーの属性を軽々と取り入れる、それもまたジェンダーレスの一つの形です。

そんな時代だからこそ、男性用のパンプスの意味が再構築されます。

Post Productionの新作Tear Pumpsは、その名の通り涙(tear drop)型にくり抜かれた(tear)意匠が印象的なスリップオンです。

当店では3種の素材をご用意しましたが、それぞれ甲乙つけ難い魅力を放ちます。

コニャック色が夏の太陽と好相性のラムスウェード。
衣類や手袋に採用されることの多いエントレフィーノ種の仔羊の革で、とても柔らかく肌触りに優れ、また毛足の美しさも特筆に値します。

シックなブラックはイタリア産のシープレザー。
カーフを思わせるしっとりとした肌理の細かい質感で、敢えてタンニン鞣しにすることで剛性も高められました。

そして、素仕上げのゴートレザー。
Post Productionオリジナルの植物柄がレーザーで彫られ、より中性的かつエキゾティックな匂いが醸し出されています。

どうもこの最後のゴートレザーは当店だけでしか展開していないようですね。

さて、つくりを見ていきますと、頑強さや歩きやすさ、といった部分より、足なじみのよさや軽さ、柔らかさを重視しています。

各色とも、ライニングにはコニャックのアッパーにも使われているエントレフィーノラムを採用し、上質な革手袋のような肌当たりに。

製法はボロネーゼ(本底との接合はマッケイ)。

アッパーの縁に中敷きを袋状に縫い合わせることで、アッパーとライニングがぴったりと密着し、円く足を包み込むようなフィット感が得られます。
ソールの屈曲性にも優れているため、まるで靴下に底のついたような履き心地を愉しめます。

ご覧の通りソールが薄いためやや心もとない印象も受けますが、ヒールのトップリフトにはしっかりと溝の入ったVibram社製発泡ラバーが装着され、衝撃吸収性や歩行性を補っています。

店主も一足自分用に仕入れ、店頭で使っていますが(ゴートレザー)、革靴ですからもちろん推奨はできないものの、素足で履くと靴の持ち味をダイレクトに味わえて、その感覚が病みつきになりそうです。

意外なほど合わせられる服の幅も広く、これから気温の高くなっていく季節に、サンダルの対抗馬として活躍することは間違いないでしょう。

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Lamb Suede, Summer Cognac/
Italian Sheep, Black/
Goat, Botanical Engraving, Sand Beige


エターナル・チャンピオン ~ blanc/ west-pont(wide)

昔からのお客様であれば、すでに持っているか、そうでなくともその存在をどこかで耳にしたことがあるのではないでしょうか。

2015年…まだ当店がオープンして間もないころから数年にわたってパンツの絶対王者として君臨し続けた名品中の名品、blancのwest-point(wide)。

“ブランパンツ”の愛称で多くの方々から親しまれ、一時期は常連様の制服のようになっていたほどでしたが、作りがなかなか厄介なため生産できる工場が限られ、数度の休止・工場変更を経て、2019年を最後に生産中止となっていました。

あまりの人気の高さゆえ、生産休止のたびに当店にクレームが入るほど。
その声はもちろんblancデザイナー両氏にも届いていたものの、このご時世、スケジュールの空いている腕のいい工場なんてなかなか見つからないものですから、そう簡単には応えられません。

そうして幾星霜、ついに解決策が見出されました。
デザイナー両氏による、アトリエ生産です。


生地から構造まで、基本的には従来通りではありますが、4年近くご無沙汰となるとはじめましての方も少なくないでしょうから、いったい如何なるものなのか、あらためて説明していきます。

まず、品名の由来となった生地について。

一般的なチノクロスよりも目の細かいウェストポイント、これにアルカリ加工を施して繊維を滑らかに膨潤させることでこの艶が生まれています。
表面にコーティングをしているわけではないんですね。

また生地の目が詰まっていることから、洗濯を繰り返してもパッカリングが強調されず、質感は柔らかくなっても外見上はいかにも着古したようになりづらいのも特徴です。

店主が4~5年ほど穿きこんだもの(左)と新品(右)を並べてみると、その経年変化の緩やかさがお判りになるかと思います。

この素晴らしい生地を活かすべく、余計な意匠を足さず、またステッチを極力表に出さず、ごくミニマムなデザインにまとめられています。

昨今のトレンドとしてはプリーツの入ったパンツが主流ですが、それはそれとしてノープリーツだって決して悪くないものです。

もともとフリーサイズのパンツだったのもあって、腰のアジャスタでサイズ感を軽く調整することができます。

裏面を見てもとても綺麗です。

一切の手抜かりがありません。

そしてこのパンツの大きな特徴がサイドシームの裏面。
通常は生地の端をロックミシンで処理したり、丁寧なものではパイピングを施したりするところ、袋縫いとなっています。

ゆえにロールアップしても裏が裏として強く主張せず、ダブルの仕上げの如く自然に落ち着きます。

こうした細やかなデザインワークがこのパンツを名品たらしめているわけです。

と、ここまではおさらい。

実は今回の復活にあたり、大きな変更点があります。

先述したように最初はフリーサイズ展開、その後ひとつ上のサイズと、女性向けのアレンジ版が出ましたが、これらが統合され、さらに上と下のサイズも加わって5サイズ展開となりました。

サイズ表記は00と0が女性向け、1がユニセックス対応で、2と3が男性用として想定されています。

00はレディースのXS~S (身長148cmの女性で裾ひと折サイズ程度)、0がM~L (以前、womenʼs wide freeサイズとして展開していたものと同じです)に相当します。
また、これより上のサイズに較べ、腰から腿にかけてやや円みのあるシルエットを描きます。

オリジナルのサイズ感が1です。2サイズ展開時代に0と表記されていたのがこの1で、メンズのSくらいのイメージですね。
1~3はテーパードが弱いワイド気味の形状です。
登場当時と違ってビッグシルエットに慣れたいまの目で見ると、名前ほどにはワイドには感じないかも知れません。

2がメンズのM (以前、unisexの1として展開)、そして3がLに当たります。

過去、穿きたいけども穿けない、というお声をいただくことが多かったため、今回のサイズ拡張はまさに朗報です。

さてこうして見事復活を遂げたブランパンツ、アトリエ生産に変わったことで継続展開は実現したものの、量産はしづらくなってしまいました。
今回は当店も気合を入れてかなり大量に仕入れましたが、欠品してしまったらすぐ在庫を引けるような状態ではなさそうです。

いままで首を長くしてお待ちいただいていた方々も、拙ブログをきっかけに興味をお持ちいただいた方も、どうぞご決断はお早めに。

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おじいさんといっしょに チクタクチクタク ~ ASEEDONCLOUD/ Automata engineer trousers

小中学生の時分を思い返してみると、子供だからずっと遊んでよしなんてことはなく、学校に行ったり、帰ってからも宿題などやるべきことはやらねばなりませんでしたよね。

それは時計技師のおじいさんも同じこと。
日々の仕事をちゃんとして、そのうえで遊びに出かけるわけです。

緻密な屋内での仕事に、体をめいっぱい使った屋外での遊び。
当然着る服に求められる要素も異なります、しかしいちいち着替えるというのも面倒…きっとおじいさんはそう考えて、作業場から着たまま遊びに行けるパンツを穿いていたのでした。


クラシカルな2プリーツのテーパードパンツにペインターパンツのディテールを足したデザインですが、ただ足しただけでなく、ちゃんとおじいさんに合わせてカスタムされています。

一般的にペインターパンツは立って作業するときに穿きますから、仕事中邪魔にならぬよう、太腿のやや背面側にハンマーループと段状の小ポケットが設けられています。
が、座って作業することの多いおじいさんにとって、その位置は寧ろ邪魔です。

そのため、パンツのサイドシームそのものを真横から前方にずらし、

ハンマーループとポケットもそれに合わせてスライドさせ、真横に配置しています。

構造もさることながら、生地もユニークです。

野外でのわんぱくな遊び方に耐えるべく、引き裂き強度の高いリップストップ素材を採用。

これだけなら何も不思議はないのですが、おじいさんの遊び心がそれだけで充たされるはずがなく、緑色の生地の上に迷彩柄を顔料プリントし、さらにそのうえにベタッとカーキ色の顔料を重ねました。

ですので、裏面を見ると迷彩柄が透けて見えます。

染料でなく顔料ですから、穿きこみ、洗うことでだんだんとプリントが剥がれていきます。

遊んでいてどこかに擦ってしまった痕なども含め、年月を重ねるほどに思い出と一緒に服自体が変化しますから、愛着も増す一方でしょう。

亡くなったおばあさんとの大切な日々を胸に、おじいさんはこうして未来へと進んでいきます。

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スキップステップアイランド ~ Jens/ SKIPPER SHIRT

基本的に女性用ブランドであるJensですが、たまに出してくる男性用あるいはユニセックス対応のモデルは当店ではひじょうに人気が高く、告知を前に店頭で颯の如く完売してしまうこともしばしば。

そんなわけで、存在自体あまり知られることのないまま店頭で確固たる地位を築いています。

今季登場したこのスキッパーシャツも、いつの間にか残り一色となっていました。

まず目が行くのが、繊細な薄手のポリエステルチュールを土台に、高密度の太番手綿糸で刺繍を施した生地。

ポコポコとした不思議な肉感と、しなやかな柔らかさ、絶妙な加減の透け具合が面白い素材です。
肌へ面でなく点で接するため、蒸し暑い時期でもべたつきにくく、さらっとした着心地を愉しめます。

付属している共地の帯は、ネクタイやウエストベルトなど、お好みにあわせて活用できます(上の画像で首に軽く巻いているのがそれです)。

もちろんこの帯を用いず着ることもでき、その場合はもう少しくだけた雰囲気が出ます。

プルオーバーシャツではありますが、前立てがボタンで開閉可能です。

この構造により羽織ものとして活用しやすく、皴もあまり気にならない素材ですので、真夏の冷房除けとして旅行などに持っていくのもよさそうですね。

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Feels Like “HEAVEN” ~ MAISON CORNICHON/ New Fit SS

なんと5年ぶりのご紹介になります、MAISON CORNICHON(メゾンコルニション)。

2016年、フランスの青年ティボー・ネグラ氏と2人の友人たちによって設立されたカットソーブランドです。

彼らはカットソーをデニムと並ぶ優れた実用的な衣料品ととらえ、その本質的価値を追求しています。
それは大量消費を前提とした大量生産品ではなく、ロゴやプリントなどに依存しない、快適で、耐久性の高いものを意味します。

ちなみにCornichon(Cucumis sativus)はきゅうりの一種で、フランスでは中世の頃から栽培されていると云われており、今でもそのピクルスはそまま食べたりタルタルソースの材料に使われるなど、食卓の定番として彼の地で広く愛されています。

良質の素材でレシピに気を配りながらピクルスを作るが如く、丁寧に製品を生み出す姿勢が、このブランド名に込められています。

フランス南西部ドルドーニュにて70年近くの歴史背景を持つ、とあるニット工場。
ここでは1950~60年代製の旧い機械を使っており、11人の精鋭が昔ながらの方法でMAISON CORNICHON製品を作っています。

この機械は操作性や生産性は現代の最新式に及ぶべくもないものの、編まれた生地はふわっとしたボリュームがあり、強靭さとのびのよさ、柔らかさを兼ね備えたものとなります。

そんな生地を用いて作られたのが、このリンガーTシャツです。

アメリカンな印象の強いリンガーTも、彼らの手にかかるとまるで違う匂いの服に仕上がっています。

欧州のブランドらしく、もともと比較的タイトフィットなつくり(とはいえ生地の伸縮性が素晴らしいので着心地は抜群)を基本としているのですが、今回はNew Fitの名の通り、サイズ感を見直し、ややゆとりを持たせています。

短めだった袖も、肘丈くらいまで長めに設定されました。

ですので、肉体性の強い服が苦手な方も、安心してこの品質をお愉しみいただけます。
なお、サイズ3で一般的なM、4でL程度の感覚です。

店頭ではすでに予想を上回るご好評を賜り、色によってはサイズ欠けも生じてきました。

ItheやOlde H&Daughterをご愛用の皆様にも必ずやご納得いただけるであろう逸品です。
是非一度お試しを。

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ネイビー×ベージュ/ ベージュ×ホワイト/ ホワイト×ベージュ/ ネイビー×ホワイト/ ホワイト×ネイビー/ グレー×ホワイト


夜風 潮風 恋風のせて 今日の出船は どこへ行く  ~ EEL Products/ HARBOR SHIRTS

連日の薄暗い肌寒さから一転、俄かに初夏の陽気が帰ってきました。

今後もこうして暑さ寒さが波のように入れ替わりながら、だんだんと夏に向かっていくのでしょうか。

早いもので5月ももう半ば、あっという間に6月ですね。
今年も6月2日(横浜開港記念日)と翌3日の2日間、みなとみらい21地区で横浜開港祭が開催されるそうです。

仲町台は横浜といっても丘の地域ゆえ近場とは言い難いのですが、それでも桜木町は電車でほんの20分程度の距離ですから、当店でお買い物ついでに立ち寄ってみるのも乙なもの。

そのときにこんなシャツを着て夜の潮風に吹かれたら、さぞかし心地好いのでは。



EEL Productsの新作HARBOR SHIRTSは、まさにその名が示す通り夏の港をイメージしてデザインされています。

肩幅、身幅、アームホールと、全体的にたっぷりしたサイズ感のプルオーバーシャツで、

製品染めののち洗いとタンブラー加工が施されています。

こうした工程により、生地がじゅうぶんにほぐれ、リネンならではの清涼なやわらかさが引き出されました。

着こなしをどうこう考えるまでもなく、洗いざらしをただ無造作に被るだけでその魅力が輝きます。

これから湿った梅雨を経て、やがて訪れる暑く気怠い夏。
快適な気候ではないかも知れませんが、どんな季節にも素敵な情景があって、服はその情景の一要素となります。
季節を美しく愉しんでいきましょう。

オンラインストパはこちらです→ ホワイト/ イエロー


珊瑚集 ~ tilt The authentics/ One Piece Collar Shirt

今年もGWを境に初夏の陽気は翳に隠れ、またひんやりした日が続いています。

半袖や夏物の入荷も始まってきているとはいえ、そういった涼しい服を単独で主役にするにはまだ時期尚早です。

となると浮かび上がってくる多くの選択肢、そのなかでもシャツは、今後の気温の推移を見据えても有力なチョイスのひとつと言えましょう。



上着やパンツの印象の強いtilt The authenticsですが、実はシャツも高い人気を誇ります。

定番的に毎シーズン更新され続けているNo Stitch Shirtsシリーズは、ご指名で新作をリピート買いされる方もいらっしゃるほど。

そのNo Sitchシリーズの系譜を汲む新作が、今回ご紹介するOne Piece Collar Shirtです。

名前の由来となった襟を見てみると、台襟との一体型となっています。

ポロシャツではたまに見る仕様ですが、こういったタイプのシャツではかなり珍しい仕様ですね。

接ぎ目を排する姿勢は、バックヨークにも見られます。

ヨークは着心地や運動性を高めるためのものですから、単純に考えればいくらデザインのためとはいえ、無くしてしまうのは得策ではありません。

しかしそこはtilt。
肩甲骨のあたりにダーツを設け、またシャツ自体を立体的に仕立てることでそういった問題を解決してしまいました。

袖口のカフスも縫い目のないミニマルな仕上がりに。
よく見ると剣ボロが山型でなく四角い形なところに、tiltが時折見せる直線への強い執着を感じさせます。

旧式の織機でゆっくりと空気を含ませながら織られたタイプライタークロスは、tilt独自配合の色に染められています。
ライトコーラル(淡い珊瑚色)とセージグリーン、どちらも甲乙つけ難いほど素敵な調子です。
もちろん、生地自体の風合い、肌触りも素晴らしいの一言。

総じてtiltの服は、第一印象で強烈なインパクトを残すわけではありません。
しかし、見れば見るほど、着れば着るほどにその佳さの理解が進みます。
デザイナーの中津さんの静かにして熱い情念が、自然と服に反映されているからです。

オンラインストアはこちらです→ ライトコーラル/ セージ


ORDER BORDERご注文分が到着しました!

たいへん長らくお待たせしました、3月に開催したORDER BORDERでご注文いただいたボーダーシャツが、全品到着しました。

配送をご希望のお客様は、明日の出荷にて手配致しますので、もう少々お待ちくださいませ。

店頭にてお渡しの方はもういつでもお渡し可能です。
どうぞご都合の宜しいときにご来店ください。

お待ちしております!


ジャマモノ やなもの なんて消して この世とメタモルフォーゼしようぜ ~ K.ITO/ サーマルジャージープルオーバー

まだそれ一枚で着るには早い時期ではあるものの、少しずつお探しの方も増えてきた半袖Tシャツ。

暖かい昼間ならカーディガンや軽いアウターの中に重ねて着るにはちょうどいい日も増えてきましたし、5月も中旬に差し掛かったところでそろそろご紹介を始めることとしましょう。



半袖スウェットのような雰囲気ながら、そんな着る時期に悩むような厚手の生地ではなく(このところの夏の蒸し暑さで、ますます着る機会が限られるようになりましたね、半袖スウェット・・・)、軽快なサーマルジャージー。

通気性に優れているだけでなく、とても伸縮性に富んだ素材です。

この生地だけで着心地は約束されたようなものですが、そこはK.ITO。
シンプルな印象の陰に驚くようなアイディアを仕込んできます。

ちょっとここでK.ITO公式インスタグラムでモデルを務めているシュウくんにご登場願いまして、

読者の皆様におかれましては、肩のあたりをじっくりとご覧くださいませ。

一見するとよくあるラグランスリーブのようでいて、脇から上に伸びる縫い目が途中で途切れています。

どういうことかと申しますと、一枚の生地の真ん中あたりに首を通す穴を開けて、折り畳んで作られているというわけです。

文章で説明するのが実にまどろっこしく歯痒いところですが、つまりはこのTシャツは複数パーツを接合しているのではなく、一枚の生地のみで仕立てられています。

ゆえに、生地の伸びを阻害したり肌当たりを損ねる縫い目がとても少なく、この構造が先述した素材のポテンシャルを最大限に発揮します。

何にしても、四の五の言うより実際に着てみて初めて伝わる佳さでもありますから、是非とも一度お試しください。

オンラインストアはこちらです→ ブラック/ ホワイト