風の中の羽のように ~ Jens/ STOLE DOWNLIKE COAT

ここ数日の妙な暖かさはやはり何かの冗談だったのでしょう、12月の訪れを告げるが如く急激に寒くなりましたね。

冬となればやはりますます気になるのが外套の類。
近年流行の続いていたダウンジャケットは当店では一貫して距離を置き続けてきましたが、化繊の中綿ものは毎年寒い時期の提案としては欠かしていません。
今年も、ちょっと面白い女性用のコートがJensから届きました。


軽量なポリエステルのシャンブレータフタに中綿を仕込むことで、軽さと保温性を確保しています。

裏地もしっかりとしたもので、真冬の寒さも何のその、です。

最大の特徴がこのプリーツ素材のストール。
独立した一枚を肩にかけているように見えて、実はこれ、本体と一体化しています。

このストールはこれといった使い方が定められておらず、着る方の好み、気分で自由にアレンジしていただくことになります。

一例ですが、両端を交差させて後ろで結ぶだけで、ご覧の通り全く別物のような印象へ変化するわけです。

なかなか他で見ないデザインゆえ、単品で見るとややとっつきにくい印象を受けますが、着てみれば拍子抜けするほどすっと馴染むはずです。
まずは一度お試しを。

オンラインストアはこちらです


荒れた山に花が咲く 夢は遠き桃源郷 ~ SIDE SLOPE/ Mongolian Yak Pullover

ヤクの毛は、軽さや暖かさはもちろんのこと、そのふんわりとした肌触りが実に官能的で、当店に限っても過去いろいろな服に用いられてきました。
先日ご紹介したKIMURAのnarrowing cardigan然り、一時期はORDER BORDERのボーダーシャツでも採用されていましたね。

どういった用途が一番とかそんな話はナンセンスですが、しかしやはりニットに適した素材であるのは否定しがたい事実です。

昨年もタートルネックが好評だったSIDE SLOPEのニット、今年はクルーネックが届いています。

その素材はヤク混ではなく、ヤク100%。
モンゴルで放牧されたヤクから、遊牧民の手で丁寧に採取されました。

先述の軽さや暖かさ、肌触りのよさにくわえ、皴や毛玉ができづらく、高い放湿性ゆえ暖かい部屋でも蒸れにくい、さらに野生の狼の鼻に察知されぬよう(ヤクの体臭で嗅ぎつかれてしまうそうです)、天然の消臭機能が備わっているという、至れり尽くせりな毛です。

また、毛の色も実に美しく、ブラウンミックス、ダークブラウン、ともに染色せず素材本来の色をそのまま活かしています。



この上質な素材を堪能していただくべく、余計な虚飾は施されていませんが、それでもSIDE SLOPEならではの小技が。
裾と袖口はリブではなく、裁ちっぱなしのような形状で、ともすれば「上等さ」が際立ちすぎてしまいかねないところに、軽妙洒脱な気軽さが加えられました。

SIDE SLOPEならではの高い技術と鋭い感覚で磨き上げられた、ウール、カシミアとはまた一味違うヤクの魅力。
どうぞこの冬たっぷりとご堪能ください。

オンラインストアはこちらです→ ブラウンミックス/ ダークブラウン


ときの旅路 ~ ASEEDONLOUD/ Hiraeth trench

“記憶士”の物語。

ここではないどこか、その土地に暮らす人びとは、”記憶の保管庫”に大切なものをしまって、ときにそこで思い出を振り返るそうです。

“記憶の保管庫”に保管されている思い出の品には、それを辿ることができるよう地図が添えられています。
その地図を作っているのが、4人の”記憶士”です。

彼らはそれぞれ東西南北に分かれ、記憶の保管庫に残された品をもとに、馬に乗ってその場に向かい、少しずつ地図を埋めていきます。

馬に跨り、目的地に向かう。
そのときの出で立ちが彼らにとっての正装となります。

ただ、正装とはいえ整備されきらぬ大地を旅するわけですから、ただただおめかしするわけにもいきません。

そこで彼らが馬上で見に纏うのが、Hiraeth trenchです。

ASEEDONCLOUDでマイナーチェンジを繰り返されながらも定番的に展開されている名作トレンチコートを雛形に、乗馬服のディテールを取り入れています。

生地は2種類、コットンの高密度生地Old functional clothと



複雑な色調の美しいウールヘリンボーンHiraeth wool heggingboneが用意されています。



Old functional clothはパラフィンコーティングが施された軽撥水生地で、使っていくとパラフィン特有の白い筋が生地に入り、それがまた得も言われぬ風合いになっていきます。

裏地の上半分にはチェック柄の上品なコットンウールの生地が用いられ、適度な暖かさを維持してくれます。

いまくらいの晩秋から冬にかけて、また初春に使いやすい生地です。

一方のHiraeth wool heggingboneはといえば、こちらは真冬仕様。

英国MOON社製のベージュと、

英国産の羊毛を使用し、岐阜の三星毛糸にてオリジナルブレンドで織り上げたブルーグリーン、

どちらも複数の色が混ざり合って美麗な色調が甲乙つけ難く、ただただ唸らされます。

このヘリンボーンウールのものは裏地の上半分にキルティングが施され、さらに防寒性能が高められました。

コート自体を見てみると、ASEEDONCLOUDOらしくギミックに富んだつくりで、チンストラップのついた大ぶりの襟は

しっかり立てることで凍てつく風を防ぎ、

両脇のポケットは貫通式ゆえ、前立てをしっかり閉めた状態でも中に着たジャケットやパンツのポケットの中に手が届きます。

背中に通されたハの字のストラップを肩に掛けた状態で袖を通せば、コートを脱いだ時にこのストラップをショルダーハーネスとして背負うことが可能です。

なお、このストラップは腰のループに通すことでベルトとしても活用することができます。

また、先述の通り馬に跨ることが想定されているのも忘れてはいけません。

背面のベントは跨りやすいよう通常より深く設定されています。

そして裾内側左右に設けられたループにご注目。

ここに脚を通せば、騎乗時に裾がバタつかずに済むというわけです。

と、何から何まで見どころ満載のコート、着用時の見事な美しさもあって、記憶士ならずとも着てみたいと思わせる力強さに満ちています。

どうぞ一度お試しを。

オンラインストアはこちらです→
Old functional cloth キャメル/ ダークグリーン
Hiraeth wool heggingbone ベージュ/ ブルーグリーン


いつかきっと ワンダーランド ~ EEL Products/ Peco Jacket

冬が近づくにつれコートが気になってくる方も多い一方で、自動車や自転車中心の生活を送っていたり、あるいはそこまでしっかりとした外套を求めない方も少なからずいらっしゃいます。

当然どちらがえらいとか正しいとかではなく、ライフスタイルや嗜好などの違いに過ぎませんから、服屋としてはどちらもご満足していただけるよう粛々と精進していくのみです。

さて、一般論として軽快さを求めれば暖かさはやや失われ、暖かさを求めれば軽快さは損なわれていくものですが、どちらも適度なバランスを保ちながら両立する服もなかには存在します。

たとえばこのPeco Jacketのように。



Peco Pecoした独特の質感の、防風性に優れたポリエステルコットン生地と

保温性に優れた薄手フリースをボンディングした素材で仕立てられており、

見た目も実重量も軽い一方で高い防寒性を備えています。

両脇のポケットも見逃せません。

判りづらいのですが、この内側もマイクロフリースゆえ、かじかんだ手を暖めてくれます。うれしいですね。

近年のEEL Productsらしくゆったりとしたサイズ感で(感覚として、表記より1サイズ程度大きいイメージです)、とくにアームホールと腕周りにはかなりの余裕がありますから、もっと気温が低くなっても中に分厚いニットなどを着こむことが可能です。

いまの時期から春先まで大活躍してくれることでしょう。

オンラインストアはこちらです→ キャメルブラウン/ ネイビー

(2022/11/26追記: 展示会資料ではPeko Jacketという綴りで、当店ブログとオンラインストアもそれに則っていましたが、いざ入荷した商品のタグを見るとPeco Jacketに変更されていたため、表記をPecoに変更しました)


A winter fairy is melting a snowman  ~ KIMURA/ narrowing cardigan

ほぼ当店のプライベートブランド状態だったのも過去の話、その評価は年々高まり、いまや全国にその名を轟かせつつあるKIMURA。

その代表作が、言わずと知れたnarrowing cardiganです。

2018年の鮮烈なデビューから現在に至るまで人気は衰えることを知らず、それでいて守りに入ることなく毎シーズン新しい素材や色の提案が続いています。

この秋冬は2種類の素材をご用意。

昨年も大好評いただいた細畝コーデュロイは

焦茶と

緑青(銅の錆色ですね。このネーミングセンスがまた実にKIMURA…!)

の2色が登場しています。

パイピングは各色灰色に統一され、ややもすれば重たくなりがちなコーデュロイの雰囲気に、程よい軽さが生まれました。

もう一種類はこちら、ふんわりした風合いのフランネルです。

なんだか静かにやさしく語りかけてくるような素材感ですが、それもそのはず。

オーガニックコットンにヤクの毛を混ぜた、スペシャルな生地を使用しています。

ヤクは寒暖差の激しい過酷な環境で暮らしている動物ゆえ、その毛は柔らかく保温性に優れています。
また、皴や毛玉ができづらく、さらには高い放湿性も備えているため、暖かい室内でも快適さを維持してくれる、ひじょうに実用的な素材です。

デリケートなようで、実は家庭での洗濯も可能。
縮率は縦横3%に収まる程度とのことでした。
もちろん手洗いの方が安心ではありますけどね。

と、それぞれ異なる魅力を発散する生地、あとはもうお好み次第です。
年中KIMURAを着たいというフリークの方もはじめましての方も、是非店頭にて較べてみてください。

オンラインストアはこちらです→
corduroy 焦茶/ 緑青
yak


GIVE ME FIVE! ~ comm. arch./ Hand Framed 5GG CD & PO

早いもので、11月も残すことあと約1週間。
まだ昼は暖かさが残るものの、晩秋が冬に向かいつつあるきょうこのごろ、薄手の万能タイプだけでなく、しっかりとした保温性の高いニットがうれしくなってきました。

この冬も素晴らしい逸品揃いのコムアーチのニット、そのなかから本日はちょうどいまの時期からリアリティの増してくるローゲージニットをまとめてご紹介致します。

すべて豪州産のメリノ、そのなかでもバージンエクストラファインウールのみを用いて、カシミア用紡績機でつくられた糸を使用しています。
ローゲージニット(5ゲージです)にしばしば見られるチクチク感や硬さはありません。

この糸を使い、東北地方の手横編み職人の手でゆっくりと時間を立てて編みたてられることで、肉感豊かな編地が生まれました。
見た目以上の柔らかさ、心地好い弾性には驚かれることでしょう。

まずはカーディガンから。

ごくごく普通のカーディガンのように見えて、前身頃以外はすべて編地の裏面を表側に用いています。
この控えなめユーモアもまたコムアーチらしさですね。

お次はプルオーバーを。
こちらはメンズ、レディースをご用意しましたが、それぞれ男性用、女性用にデザインの細かな違いがあります。




メンズは編地の暖かさをたっぷりと味わえるモックネックセーターです。

ボリューミーな素材の特性を活かしつつも、裾のリブの脇にスリットを入れることで腰回りの締め付けを抑え、着用時にすとんと落ちるようなシルエットを描きます。

それと似て非なるレディース。



襟周りは立ち上がってはいますが、モックネックと呼ぶほどでもなく、首筋が綺麗に出る絶妙な高さです。

着丈は短めで、全体的に円み帯びた柔和な形状となっており、女性の体のラインを美しく引き立てます。

あらゆるジェンダーの同権は自明の大前提として、男性には男性ならではの、女性には女性ならではの肉体的な特徴があります。
こうした飾り気のないニットも、そのポジティブな違いを理解してデザインされているかどうかで、また一味ふた味と変わってくるものです。

オンラインストアはこちらです→
Hand Framed 5GG CD アルパインシープ/ パインツリー/ ワイン
Hand Framed 5GG PO(Men’s) コールマイン/ パインツリー/ ワイン
Hand Framed 5GG PO(Ladies’) ブラッドオレンジ/ クリーム


辛子色の季節 ~ .URUKUST

定番の佳さは言うまでもなく、しかしそのうえで目が離せないのが、.URUKUSTのシーズン限定色です。

昨年冬のミネラルグレーとソイルブラウンも素晴らしい色でしたが、今年の色もまた美しさに息を飲みます。

灰色と茶色の絶妙なブレンド具合が、穏やかながらも印象的なグレージュ、

軽やかさと深みが高次元で両立したマスタード、

どちらも国内産の原皮を使用し、タンナーの協力のもと.URUKUSTオリジナルのレシピにて生まれた革です。

当店でも人気の型であるキーケースSTK-01と

同じく継続展開中の折財布STW-03も、

色目が変わればまた新鮮に映りますね。

そして今季はこの2型にくわえ、当店では初登場となる長財布STW-01が登場。

基本的な設計思想としてはSTW-03と同じで、適切に配置されたポケットから最小限の動作でお札、小銭、カードを出し入れすることが可能です。

たとえば小銭入れポケットは一般的な財布と異なり内蓋やファスナーのない簡素な構造となっています。
が、本体の蓋を閉じればここからコインが洩れることはありません。

見た目以上に高い収容能力を備えており、使い勝手は抜群。
実は店主も昨年ミネラルグレーのものを個人的に購入し、毎日愛用しながらその機能美に惚れ込んでいます。

ご覧のように、使い込んでいくと角が取れ、しっとりとした深い艶が生まれていくのも.URUKUSTの革製品の特長です。
先の私物は新品時はこのように乾いた風合いでしたが、とくに手入れもせず一年間使っているだけでここまで変化しました。

今季の2色も、きっと素敵に育っていくことでしょう。

肉厚な革を使用し、パーツの少なさゆえ縫製箇所も最小限のため、耐久性がきわめて高く、使えば使うほど愛着が湧いてくるはずです。

一期一会のこの邂逅、どうぞお見落としなく。

オンラインストアはこちらです→
STK-01 Key Case グレージュ/ マスタード
STW-03 Bifold Wallet グレージュ/ マスタード
STW-01 Long Wallet グレージュ/ マスタード


目を閉じておいでよ ~ Handwerker ASEEDONCLOUD/ HW blind hunter trousers

まるで見当違いの場合もないわけではないが、その人の風体を見ることのできぬ私どもは、その音声によってその人の職業を判断して滅多に誤ることがない。
弁護士の声、お医者さんの声、坊さんの声、学校の先生の声、各々その生活の色が声音の中ににじみ出てくる。偉い人の声と普通の人の声とは響きが違う。やはり大将とか大臣とかいうような人の声は、どこか重味がある。
年齢もだが、その人の性格なども大抵声と一致しているもので、穏やかな人は穏やかな声を出す。ははあ、この人は神経衰弱に罹っているなとか、この人は頭脳のいい人だなというようなことも直ぐわかる。概して頭を使う人の声は濁るようである。それは心がらだとか不純だとかいうのでなく、つまり疲れの現れとでもいうべきもので、思索的な学者の講演に判りよいのが少く、何か言語不明瞭なのが多いのがこの為ではないかと思う。
同じ人でも、何か心配事のある時、何か心境に変化のある時には、声が曇ってくるから表面いかに快活に話していても直ぐにそれとわかる。初めてのお客であっても、一言か二言きけば、この人は何の用事で来たか、いい話を持って来たのかそれとも悪い話を持って来たか、何か苦いことをいいに来たかというようなことはよくわかるものである。また肥った人か痩せた人かの判断も、その声によって容易である。例えば高く優しくとも肥った人の声は、やはりどこかに力があるものだ。
声ばかりではない、歩く足音でそれが誰であるかということがよくわかる。家の者が外出から帰って来たのか、客であるか、弟子であるか、弟子の誰であるか、大抵その足音でわかる。道を歩いていても、それが男であるか女であるかは勿論、その女は美人であるかどうかもやはり足音でわかる。殊に神楽坂などという粋な筋を通っていると、その下駄の音であれは半玉だな、ということまでわかる。それは不思議なくらいよくわかる。ところが、この間道を通る人の靴音をきいて、傍の家人に今のはお巡りさんかと尋ねてみたら、「いいえ女学校生です」とのことであった。この頃の女学生は活発な歩き方をするので、私の耳も判断に迷うことがある。

宮城道雄『音の世界に生きる』

我々晴眼者は自分で思っている以上に視覚に重きを置いているようで、聴覚や味覚など、目ではない器官を用いているはずでも、その判断には目から入る情報が少なからず反映されています。

では、一度視覚をシャットアウトした状態になるとどうなるのか。
それを体験させてくれるのがダイアログ・イン・ザ・ダークです。

照度ゼロの真っ暗闇の空間のなか、特別なトレーニングを積んだ視覚障害者がアテンドとなって参加者を案内します。
ここでは一切の視覚に頼ることができません。ゆえに、聴覚や嗅覚やふだんと違う発想をもとに新たなコミュニケーションを探ることができます。

1988年、ドイツの哲学博士アンドレアス・ハイネッケ氏の発案によって誕生したこのソーシャルエンターテーメントは、世界50か国以上で開催され、900万人を超える人々が体験しているそうです。
我が国では1999年から行われており、東京竹芝のダイアログ・ダイバーシティミュージアム「対話の森」で体験が可能となっています。

日本でのダイアログ・イン・ザ・ダークにて長年アテンドを務め、現在はダイバーシティラボの首席研究員としても活躍している檜山晃氏は、”盲点ハンター”の異名を持つ人物です。

見えているつもりで見えていないのが盲点。
生来目の見えない檜山氏は、目で何でも見えているつもりの我々の本質的な盲点を、さまざまな方法で気づかせ、思考の広がりに導きます。

そんな檜山氏のためにHandwerkerが制作したのがHW blind hunter trousersです。


語りどころの多い一本ですが、まずは素材から見ていきましょうか。
イージーパンツではあまり使われないインディゴのデニム、とはいってもただのデニムではありません。

生地の裏面を深く起毛した、いわば裏起毛デニムです。

これは秋冬用なので保温性を高めたというだけでなく、服の表裏を触覚だけで瞬時に判別できるというメリットがあります。

敢えて打ち込みをやや甘くしているため、一般的なデニムに較べ柔らかく、穿きやすいのも特徴と言えます。

生地のみならず、前後も触って判別できるデザインです。

スモーカーである檜山氏のために、フロントのポケットにはたばこが収まるようになっています。

ヒップポケット開口部は手の出し入れがしやすいよう斜めに。

ウェストは紐ではなくバックルで留める仕様で、これもただのバックルではなく、磁石を使ったFIDLOCKを採用。

左右から引っ張る力には非常に強く、しかし縦にずらすとすっと抜けます。

言うまでもなく日常生活には白杖が必要ですが、たとえば食事中など、置き場に困ることがあることがあるそうです。
立てかければ倒れてしまったときに探しづらく、膝の上に置くのは煩わしい。

ということで、ふくらはぎの脇に白杖用ポケットが設けられました。

このきゅっと絞られた裾にも意味があります。
視覚情報がないと、パンツを穿く際に裾を踏んでいないか意識せざるを得ないとのことです。
そのストレスを軽減すべく、裾幅を狭くし、また端の部分の生地を二重にして硬くすることで踏みづらくしています。

目の見えない人のための設計ではありますが、もちろんそうでなくともファッションとして十二分に活用できるパンツです。

而してこの服を生活に取り入れることで、いつもと違う何かしらの視点が得られるかも知れませんよ。

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心のYOROIは 暖かくはないさ ~ tilt The authentics/ WPCA Barathea Armor Coat

実際の本格的な出番はまだもう少し先とはいえ、さすがに11月も半ばを過ぎて、コートを各種比較検討されている方が増えてきているようです。

やはりそれなりに価格のするものですから、じっくり考えて、試して、ほんとうに気に入った一着をお買い求めいただきたいもの。

その有力な候補として、自信をもってお薦めできるのがこのコートです。


華美なわかりやすさはないものの、一度触って、そして袖を通せば、体がはっきりと違いを感じる、それこそがtilt The authenticsの服の特徴と言えます。

まず生地から見ていきましょう。

ウールをベースに、和紙とカシミアを配合したバラシア。

バラシアは一般的にはウールのみで構成される生地で、特殊な織りによる表面の粒子状の綾目が特徴です。通常タキシードなどの礼装用の服に用いられます。
本来の名称をアーマー織りといいまして、Barathaというのはもともとはこの織りのネクタイ生地についていた商標だったとか。
西洋の鎖帷子に表面の質感が似ていることから、”鎧”を意味するフランス語armureからそう呼ばれるようになったと云われています。

耐久性が高く、皴になりにくい織りで、この組織に和紙とカシミアを加えることで、しなやかさと独特の乾いた肌触りを生み出しました。

裏地にはやわらかいキュプラコットンを採用。なお、袖裏は滑りのよさと吸湿性に優れたキュプラ100%の生地を用いています。

充実の裏ポケット。

と、ここまでなら単に上等な(素材の配合が変わっているだけの)コートですが、さらに半捻りひと捻りを入れてくるのがtiltです。

まず言及せねばならないのがこの真四角のポケット。

マチが設けられた立体的な構造で、シンプルなコートに心地好いノイズをもたらしてくれています。
不協和音も、使い方次第では協和音にはない美しさが生まれますよね。それと同じことです。

袖はハンティングウェアを彷彿させるピボットスリーブ。

運動性に優れた構造で、コートにして自由な肩回りの動きが可能となりました。

袖口もご覧ください。

ウールのしっかりしたリブが装着されており、冷風の侵入をシャットアウトします。

このように、じっくりと眺めていると次々に発見があるコートです。

もちろん、着用時の美しさ、かろやかな着心地は、そこに定評あるtiltですから言うまでもありません。
袖を通せば思わず声が出てしまうことでしょう。

世知辛い世の中に身も心も冷たく固くなってしまいそうな昨今です、せめて外気だけは作り手の気持ちの込められたコートで、やさしく暖めてあげたいものですね。

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