不思議なもので、秋めいてくると、服だけでなく聴く音楽などといった嗜好全体が夏から大きく変わってきます。
いくら文明が発達しても、我々は季節感や気候といった地球環境上の変化とは無縁ではいられないようです。
さて、この時期になると、ウールの、それもクラシカルな雰囲気の生地がだんだんと魅力的に映ってくるもの。
ベージュ×ブラウン×ブラックのガンクラブチェックなんて、まさにそのひとつです。
このガンクラブチェック、もとはスコットランドの貴族階級の狩猟服に採用されていたようですが、広まったのはアメリカからだとか。
19世紀後半のニューヨークのGun Club(銃猟クラブ)でメンバーたちが制服として着用していたことに由来すると伝えられています。
日本でも昭和の紳士に愛された柄で、フーテンの寅さんのジャケットも有名ですね(余談ですが、聞くところに寄ると映画で着用されていたものはカシミアの生地を使って仕立てた高級品だそうです)。
店主個人の話をすれば、母方の祖父も生前よくこの柄のジャケットを着ていました。
というわけでときに「おじさん/おじいさんっぽい」と評されることもあるガンクラブチェックですが、それをネガティブでなくポジティブに、「大人の男性らしい」と見せるのがmandoのセンスです。

打ち込みが強くハリのある生地で、見た目の印象のようなホッコリした風合いではありません。
この硬質さが、ガンクラブチェックの野趣の温度感をぐっと下げています。
よく見ると、極細のパイピングがあしらわれ、密やかな色気が感じられます。
こうしたこまやかな仕事には、唸らされるばかりです。
YKKエクセラのダブルジップは、すべりのなめらかさと安定した固定力を両立。

特有の冷たい輝きもまたそのグレードの高さを語ります。
全体的にはオーセンティックなデザインですが、そこに美しいノイズを差し込むのがこの腰回りです。

裏面に張られたエラスティック素材のバンドによって表側の生地がダイナミックに波打ち、服全体に豊かさをもたらします。

単体画像からはちょっとわかりにくいのですが、着用時の洗練されたシルエットもまたmandoならでは。
きっと袖を通せば「オッ!」とご理解いただけると思います。
殊更に暖かさを強調した素材やつくりではなく、それでいてしっかりとした防風性は備えていますので、中に着込むもの次第で秋から真冬まで長い間活用できるブルゾンです。
いつもの装いにただ羽織るだけで、違いを見せてくれますよ。
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