伯爵と妖精 ~ EEL Products/ EARL JACKET & SLACKS

不思議なことに、毎年秋が深まるにつれ、クラシカルな雰囲気の服や生地の魅力が増していくような気がします。

それは店主個人に限らないようで、このところ俄に注目を集めているのが、EEL ProductsのEARLシリーズです。





EEL ProductsのEELは“Easy Earl Life”の略です。
Earlは「伯爵」を意味しますが、ニュアンスとしては「お気楽貴族的生活」といったところでしょうか。

そんな名を受け継いだこのシリーズ、当然のことながらブランドの現在地を示すような完成度を誇ります。

雰囲気こそ古典的ではあるものの、重厚さや堅苦しさは微塵も感じさせず、しっかりと現代的なリアリティをもった服です。

サイズバランス、ディテールともに敢えて本格的にならないよう計算されており、たとえばジャケットは肩パッドのないソフトなつくりで、着丈も短めに設定されています。

2個に抑えられた袖口のボタンの数、フラップの省略されたポケットなど、物理的にも視覚的にも軽快さを主軸に置いたデザインなのが見て取れますね。

カシミア混の柔らかい綾織生地は軽くとも保温性はしっかりと備えており、さらに全面に裏地が設けられていますので、気温の低いこれからの時期に重宝します。

ジャケットはネイビーのみご用意しましたが、パンツはセットアップはもちろん単品での需要も高いと見込み、チャコールとブラウンも揃えました。


オーセンティックな2プリーツのスタイルにすとんとした中庸なストレートシルエットで、かつレングスがやや短めに設定されています。

この絶妙な裾丈が軽さを生み、さまざまな装いに合わせやすい一本となりました。

腰から脛にかけて筒状の裏地がついており、ジャケット同様にこちらも保温性はじゅうぶん。

ジャケット、パンツともに、クリーンでありながら綺麗になりすぎず、そして威圧感を与えない、実にEEL Productsらしいバランス感覚で、晩秋~冬のさまざまな装いの一員として大いに活躍してくれるはずですよ。

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EARL JACKET ネイビー
EARL SLACKS ネイビー/ チャコール/ ブラウン

アイのカタチ ~ comm.arch./ Hand Framed KASURI Brushed CD

当店で秋冬といえばニット、そして当店でニットといえばcomm.arch.を忘れるわけにはいきません。

上質な素材使い、優しさそのもののような着心地、飽きの来ない普遍的なデザインワークに魅了されているファンは多く、当店で2016年からずっと取り扱っている割にブログの登場回数がそれほど多くないのは、いつもご紹介を前に店頭で巣立ってしまうから。

というわけで、今年の予定分がすべて入荷したところで、注目の新作をご紹介することにします。


とくにここ数年、コムアーチのニットは素材本来の持ち味を活かしたシンプルなものが多く、素材の風合いや編み方、形状のバランスで違いを見せてきていました。

就中メンズは色目もシックでしたので、この新作を見て驚かれる方もいらっしゃるかも知れません。

が、やはりこれは紛れもなくコムアーチです。

この朧に浮かび上がる美しい模様は、糸そのものによって描かれます。

ニュージーランド産ウール主体の糸に絣染めを施して、多色染めに。
この糸の段階で不規則的に染めているため、編み立てると一着ずつ異なる配色に仕上がります。

仕上げに職人の手で起毛加工を施すことで、エアリーな風合いとなり、そしてこの水墨画を聯想させる幽玄なにじみが生まれるというわけです。

メンズのLに相当するサイズ4のみを仕入れましたが、女性が羽織ってもたいへん優美な印象となります。

目に麗しいだけでなく、もちろん実用面も申し分なし。
驚くほど着心地が軽く、それでいて暖かいので、ずっと手放せない一着となることは間違いないでしょう。

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秋の日の ヸオロンの ためいきの 身にしみて ~ Ithe/ No.60-88-IO

店主はだいぶ寒さに弱く、もういまの時期はニットやそれなりの上着なしにはいられないのですが、気温に対する体感というのは個人差が大きいもので、町にはまだまだTシャツ短パンサンダルという方もチラホラと、なかには汗ばんでいる方までお見かけします。

そんなわけで服屋としましては、ランドスケープに馴染むよう見た目の季節感をまず大事にしながらも、しっかりとした保温性の高い服から軽く涼しい服まで、幅広いお客様に向けて秋冬の衣料を取り揃えております。

その後者、つまり秋冬服に於ける軽量級で当店の筆頭格といえばItheでしょう。

暑がりさんに限らず、クルマ社会の地域にお住まいの方などにとっても、ロングコートや防寒性の高いアウターなどは無用の長物。
秋はもちろん、冬でもニットの上にこのくらいのブルゾンを羽織るのがちょうどいい、という方は決して少なくありません。


先行して入荷し、ご好評いただいているNo.23-58-F-TP(通称フィラパン)と同じく、尾州産のウールリネンの綾織生地を採用。

温かみを帯びた風合いがうら悲しい秋の情景に寄り添いながらも、ある程度の暖かさを保ちつつ熱を蓄えすぎない軽やかさを備えた生地です。

もちろん秋冬の使用を念頭に置いていますので、しっかりと裏地は設けられ、防風性は確保されています。

デザインのベースとなったのは、1970年代にアメリカで生産されていた古着のハリントンジャケット。

クラシカルなドッグイヤーカラーや

腰背面のゴム使いなどはそのまま踏襲しながらも

極力ディテールを削ぎ落とし、また全体のバランスを整えることで、Itheらしい硬質なミニマルデザインにまとめました。

「近頃は気候がおかしくて、夏と冬しかなくなった」…なんてことはなく、秋もスタートが遅いだけでそのまま冬への切り替わりが後ろ倒しになってきています。
春先にも使いやすく、こうした軽めの上着が活躍する時期は、意外と長いものですよ。

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甘い生活 ~ Harley of Scotland

11月です。

先月はしばらくはダラダラと「いつ残暑が終わるのか…」とまで思わせながら急に平年並みの気温に落ち込んだため、温度差に体がついていけず一気に冬が来たような錯覚さえ感じましたが、ひとまず今月はそれなりに秋らしい11月の始まりを迎えています。

この時期どうしても暗く重くなりがちな店頭に毎年彩りを添えてくれるのが、スコットランドのセーター。
当店の秋冬にはなくてはならぬ存在です。

今年も、Harleyから素敵な色が届きましたよ。

まずはラムウールのクルーネックセーター、Crew Neck Lambsからご覧ください。

枯れ葉の季節に潤いを与えてくれる緑色「ジャングル」、

薄っすらとオレンジがかった繊細な桃色「メルバ」。

バニラアイスにシロップ漬けの桃をのせ、そこにラズベリーソース、アーモンドスライスをかけたデザートをピーチ・メルバといいますが、おそらくメルバの名はここから引用したのでしょう。いやはやまったく洒落た色名です。

色彩感覚だけでなく、肌触り、保温性ももちろん抜群。
この良質な糸の特性を、ホールガーメント編機を使用することで最大限に活かしています。

Harleyは昔ながらの技法にこだわらず、最新のテクノロジーもどんどん採り入れるメーカーです。

このセーターはプログラミングによってまるまる一体ごと編み立てられているため、パーツの接ぎ目が存在しません。

通常ニットの接ぎ目はリンキング処理するため、どうしてもその部分だけ伸縮性が損なわれてしまうものですが、この製造方法だとすべてが編み組織で構成されていますので、ひじょうにのびやかな着心地となります。

タートルネックPolo Neck Dorothyも、このホールガーメント製法で編み立てられています。

こちらも2色、「クレミズィ(深紅)」と

しっとりとした深紫「アマレーナ」。

このアマレーナ、主に欧州で食されているサワーチェリー(のシロップ漬け)に由来します。
先のメルバと同じく、小憎いほどスウィーツなネーミングセンスですね。

メリノウールに10%のカシミアを混ぜた糸は軽く暖かく、

ホールガーメントならではののびやかな着心地を愉しめます。

両モデルともに薄手とは言いませんが比較的厚みが抑えられていますので、真冬を待たずとも秋から大いに活躍します。

11月、木枯らしが吹く前でも、単体ではもちろんのことブルゾンやジャケットに合わせるのにもちょうどいいのではないでしょうか。

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Crew Neck Lambs ジャングル/ メルバ
Polo Neck Dorothy クレミズィ/ アマレーナ

ちがうよ それは絵本だけのおはなし そういう私にウィンクして ~ ASEEDONCLOUD/ Seiyakou jacquard PO

日に日に秋が深まるにつれ、夜が長くなってきましたね。

きょうはもう少し季節の進んだ、一年で一番夜の長い晩にまつわるお話を。

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ここではないどこかのこと、人里離れた雪深い場所に大きな一軒家がぽつんと佇んでいます。

とある夫婦がそこで営んでいるのは、ちょっと珍しい学校。

夫婦は孤児を見つけては招き入れ、彼らを愛情を込めて育てながら(その家は、学校としてのみならず宿舎も兼ねています)、基礎的な勉強のみならず、ソリの乗り方、トナカイの飼育、おもちゃの作り方や煙突の登り方などの「専門的な」教育も施しています。

そこで育ち、カリキュラムを修得した生徒たちは、卒業後、一年で一番闇の長い夜に世界中の子どもたちに夢を与えるべく、冬の夜空を舞う仕事に就くのです。

さて、その大切な、子どもたちがプレゼントを心待ちにする晩の12日前。

学び舎の卒業生たちは、暗闇を照らす光に感謝を捧げるため、たくさんのキャンドルを灯し、皆で食事を愉しみます。

そこではめいめいが好きな柄のニットを着ていて、場を温かく華やがせるのでした。

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ASEEDONCLOUDのSeiyakou jacquard POは、そんな場に相応しいセーターです。



オーストラリア東部ニューサウスウェールズ州、寒暖差が激しいこの地方は良質なメリノウールの産地として知られていますが、そのなかでも貴重な仔羊の毛を使用して編み立てられています。

このラムズウールは肌触りのよさは言うまでもなく、発色の鮮やかさも特徴と云われ、サーミの民族衣装から着想した細やかな柄を、さらに美しく表現してくれます。

サーミはラップランドの先住民族ですが、ラップランドといえば、12月24日の晩に活躍するあのおじさんが暮らしているとかいないとか…いや、その話は蛇足でした。忘れてください。

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夢が覚め 夜の中 永い冬が 窓を閉じて 呼びかけたままで ~ quitan/ RAILWAY’S COVERALL

Léon Werth

Je demande pardon aux enfants d’avoir dédié ce livre à une grande personne.
J’ai une excuse sérieuse : cette grande personne est le meilleur ami que j’aie au monde.
J’ai une autre excuse : cette grande personne peut tout comprendre, même les livres pour enfants.
J’ai une troisième excuse : cette grande personne habite la France où elle a faim et froid.
Elle a besoin d’être consolée.
Si toutes ces excuses ne suffisent pas, je veux bien dédier ce livre à l’enfant qu’a été autrefois cette grande personne.
Toutes les grandes personnes ont d’abord été des enfants. (Mais peu d’entre elles s’en souviennent.)
Je corrige donc ma dédicace :

À Léon Werth quand il était petit garçon.

レオン・ウェルトに

この本を一人の大人に捧げることを許してほしい、とぼくは子供たちにお願いする。
大事な理由があるのだ。
まず、その大人はぼくにとって世界一の親友だから。
もう1つの理由は、その大人は子供のための本でもちゃんとわかる人だから。
3番目の理由は、その大人は寒さと飢えのフランスに住んでいるから。
慰めを必要としているから。
これだけ理由を挙げても足りないようなら、ぼくはこの本をやがて彼になるはずの子供に捧げるにする。
大人は誰でも元は子供だった(そのことを覚えている人は少ないのだけれど。)
だから、ぼくはこの献辞をこう書き換えよう—

小さな男の子だった時の
レオン・ウェルトに

アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ『星の王子さま』の冒頭に置かれた、有名な献辞です(池澤夏樹訳)。
親友であるレオン・ウェルトに宛てられているこの文章は、同時に、この本が子供だけでなくすべての大人にも向けて書かれていることを逆説的に示しています。

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“de l’automne et de l’hiver à Léon Werth quand il était petit garçon(秋と冬から、小さな男の子だったころのレオン・ウェルトへ)”

このquitanの今季コレクションテーマは、サン=テグジュペリのオマージュ。

大人になると忘れてしまいそうになる(あるいは忘れてしまう)少年の自由さを、服に表現しています。


晩秋から真冬にかけて重宝しそうな、いわゆるカバーオールタイプのハーフコート。

品名こそ昨年春に登場したものと同一ですが、ほぼ別物といっていいほど大幅なアレンジが加えられました。

ベースになっているのは、RAILWAY’Sを冠するように1950~60年代のヨーロッパの鉄道員が着ていたゴム引きのコートです。
ここに、1950年代の英国の港湾労働者用ドンキージャケットのバランスを加えています。

とはいえ、そのディテールはほぼ再現されていません。
全体のバランスやポケットの配置など、あくまでエッセンスとして名残りが感じられる程度です。

なお、胸の背中に2つずつついている謎ボタンについてですが、

これは1950~60年代にフランス陸軍で採用されていたレインコートの古着のパロディでして、

元来このコートは、肩に取り外しできない大きな雨除けのパーツが被さっていまして、これらのボタンはそのパーツを服に固定するためのものでした。
ところが、その古着にはその雨除けがついておらず、どうも元々のオーナーがわざわざ切り取って外したようです。

結果、たしかに雨除けの機能は失ったかも知れませんが、このコートの隠されていた美しい姿が顕わになったという副次的効果が生まれました。

そうした自由なアレンジによる美の発見という物語が、実用面ではなくメッセージとしてデザインに盛り込まれています。

この服の表地に用いられてるのは、強縮加工を施した甘織りのウールサキソニー。

裏地には薄手のコットンを採用し、暖かさと柔らかさ、軽さを程よいバランスでまとめました。

襟はフックとチンストラップでスタンドカラーとしても使えるため、肌寒い日や風の強い日に便利です。

ちなみに、このチンストラップは使わないときは左襟の下に留めておくこともできます。

円みを帯びた立体的なパッチポケットとは別に

脇には貫通式のスリットが設けられ、中に着ているジャケットやパンツのポケットに外から手を入れられるようになっています。

袖付けは、肩の位置の曖昧な着物袖。

ゆとりもあって、幅広い体型の方にお召しいただけます。

デザインも構造も守備範囲が広く、老若男女を問わないため、女性用サイズと男性用サイズを両方仕入れました。

今週に入り急激に気温が低くなり、ようやくこうした暖かな上着にもリアリティが出てきています。

身も心もカチコチと寒さに縮こまりがちなこれからの季節だからこそ、少年の自由なのびやかさを身に纏ってみては如何でしょうか。

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限界の先 その先で戦う喜び ~ ZDA/ Trainer 2922SL

あれはもうコロナ禍の前のこと、おそらくは1980年代に生まれたバレーボールシューズが、およそ30年の時を経てひっそりと復活しました。

それが、ZDAのTrainer 2918L。

その味のある佇まいは、局所的ながらたしかな熱をもって愛されたものです。

品質もひじょうに高く、とくにS-KAISERなる謎ソールの耐摩耗性、そしてグリップ性能は21世紀でもなお通用するレベルで、このスニーカーが見た目だけの代物ではないことを大いに証明していました。

のちにはスウェードタイプも登場し、隠れた人気品番として長く当店の定番に…なるはずだったのですが。

コロナ禍の影響かどうかは知る由もありませんが、なんとS-KAISERソールを製造していたメーカーがまさかの倒産。
それに伴い、このモデルは永久に廃番となってしまったのです。

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そして2025年の秋、店頭にはこの靴が並んでいます。

もう二度と復活することはないであろうと半ば諦めていましたが、このソールと出逢ったことで、2922SLという新たな名を得て不死鳥の如く蘇ったのです。

正直、このSOLANOなるソールメーカーについては何も存じ上げません。

ソールパターンはテニスシューズのようで、横から眺めれば1980年代のバレーボールシューズに見られた構造。

実に奇妙で、ゆえに不思議系ブランドZDAに相応しいことこの上ないソールと言えます。

一方、アッパーはつくりも素材も2918Lをそのまま受け継ぎました。

ソールのボリュームが増したので全体的にはポテッとした愛らしい雰囲気になりましたが、アッパーだけ見ると実はなかなかスマートなシルエットです。

使用されているレザーは、柔らかく、それでいて適度に厚みのある良質なもの。

ZDAの靴は製法が旧く、現代の感覚でみると運動靴というよりパンプスといった軽い革靴に近い作り方をしています。
ゆえにアッパーも革靴同様にしっかりと立体的につくられており、このレザーの特性も相まって足をしなやかに包み込んでくれます。

1980年代はスニーカーの歴史的には技術発展の過渡期で、ヴィンテージ市場でも1970年代や1990年代のモデルに較べやや影が薄い、そんな時代です。
が、過渡期だからこそクラシックなスタイルとハイテク感を前面に押し出したスタイルどちらとも異なり、しかしどちらにも通じる独特の魅力に満ちています。

ソールも変わり「復刻」とは言えなくなりましたし、もはや新型と言ってもよいかも知れませんが、それでもなお「当時の靴」と認めたくもなる不思議なスニーカーです、どうぞ一度お試しを。

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まぶしいほど青い空の真下で ~ Worker’s Nobility/ TRENCH COAT

かつて、体育の日は晴れが多いと云われていたものでしたが、不思議なことにその名称が「スポーツの日」に変わってから、どうにもすっきりしないことが多いように思います。

昨日までの3連休も、雨だったりそうでなくとも曇っていたりと、終始靉靆としていました。
そして今週もまたそんな調子だそうです。

せっかく暑さも落ち着き秋めいてきたというのに(西日本および南日本ではそうでもないようですが…)、ちょっとクサクサしますね。

といいうわけで、気分がさっぱりするようなコートをご紹介します。


暗色や暖色の多い秋冬の服には少し珍しい青。

しっかりとした厚みのあるパナマ織りのコットンで、ほどよく素朴な風合いが。

薄地のコットンの白が、空にたなびく秋の雲を想起させますね。

店主自身ヨーロッパには一度も行ったことがないので伝聞に過ぎないのですが、スペインは日本に較べ湿気が少なく、空の青が濃いのだとか。

ナバラ州に拠点を構えるWorker’s Nobilityならではの色彩感覚です。

この透徹な青と白に美しいノイズを加えるのが、素朴な貝ボタン。

直線的かつ平面的なパターンでありながら不思議に奥行きを感じさせるのがこのブランドの服の特徴で、このコートもワークウェア的な構造かと思いきや、前身頃と後身頃が一枚の布で構成されていたりと、服飾でなく建築を学んだデザイナーならではの発想に驚かされます。

構造といえば、品名こそトレンチコートですが、その実はバルマカーンコート。

袖付けはラグランではなくセットインではあるものの、肩の位置が曖昧で、サイジングはシビアではありません。

なお、ユニセックス提案かつフリーサイズ(サイズ感的にはメンズのS~M程度)でして、「このようにすべき」といった規範で着る人を縛ることなく、逆に着る人のパーソナリティによって見え方が変わってくる服です。

それがどんな具合になるのか、是非一度ご自身でお確かめください。

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