ドアをノックするのは誰だ? ~ mando/ ウールアルパカ ダッフルコート

ダッフルコートに関しては、皆様いろいろと言葉をお持ちでしょう。

定番。アイビー。トラッド。スクール。ミリタリー。マリン、なんて表現もできますね。

当然ながら、そのルーツやファッションとして普及してきた経緯、あるいは個人的な思い出などを前提として語られることが多くなるわけですが、敢えてそこから一歩離れてみることで、その普遍的魅力をさらに引き出せるかも知れません。


「本格的なデザイン」「本格的な生地」「本格的なつくり」…歴史や背景を深く理解し、「本格」が何たるかを知りぬいたうえで、「必ずしも本質はそこじゃないんだよ」と言わんばかりにさらりと換骨奪胎してしまう、その妙技。

ダッフルと言えばメルトンかヘリンボーンですが、ウールとアルパカをベースに補強のナイロンを加えた毛足の長い生地を採用。

肉厚で暖かく、そしてその軽さにはっとさせられます。

ダッフルコートらしからぬ複雑な色調のグリーンも佳いですね。
ちなみに、この一色のみしか仕入れていないのではなく、この一色のみの提案でした。
mandoならではの外連味です。

表側より少し明るい裏面が、視覚的にも軽やかさを生み出しています。

この緑色に馴染む素木の淡い色。

トグルだけでなく、ボタンも統一されています。

こまやかに編みこまれた紐が、この素朴な調和に艶やかさを添えます。

こうしたアレンジにまったく厭らしさを感じさせないのは、このブランドの根底にある気品ゆえでしょう。

襟元にも一工夫。
大ぶりのスナップボタンが並び、チンストラップを外しても前立てをしっかりと締めることができます。

ファッションとしてはもちろん、本格的な真冬の防寒着としてもしっかりと考えられたデザインです。

立体的で角の取れたパターンワークは、身に纏ったときにトラディショナルなダッフルコートのような「大きい」印象を薄め、不思議なほどに優美なシルエットを描きます。

これは是非一度実際にお確かめいただきたいところ。

気候や社会の変化で全体的な需要が薄れつつあるものの、それでもコートは冬服の王者です。

最高の一着は、冬の悦びそのものとなります。

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HOEDポップアップイベント、開幕!

本日12/13から12/21にかけて、HOEDのオーダー&即売会を開催しております。

今回は即売商品のラインナップがかなり充実しておりまして、どれにしようかと悩む悦びをいつも以上に味わっていただけます。

そして、こちらも即売商品、新作のウールのキャップとワイドベレー。

実は店主自身も初めて現品を見たのが昨晩の開設時だったのですが、これが期待をさらに上回る素晴らしい出来栄えで、今後ブランドの秋冬の代表格となり得るポテンシャルをビンビンに感じます。

イベント以外の店内の商品も、きのうついに冬物が完納したところ。

是非こちらも併せてお愉しみください。

皆様のお越しを、心よりお待ちしております!

おてて つないで のみちをゆけば ~ Post Production/ Whole Cut Gloves

本日は晴天ながらも北風がぴゅうぴゅう吹き荒れ、通販の集荷に来ていただいたドライバーさんも「フゥ~!寒い!」と手を擦っていました。

こんなときは、暖かい手袋があるだけで気分がまるで違います。

靴のみならず小物も好評のPost Production、その手袋の新作の出番はまさにこれからです。

肌理細やかな上質のシープスウェードは、見た目の印象通りのしなやかさ。

甲から掌にかけて接ぎ目のないミニマルな構造によって全体になだらかな円みが生まれ、とても優しい雰囲気に仕上がっています。

防寒性にも抜かりはありません。
カシミアニットの裏地が、暖かな空気を指先まで蓄えてくれます。

すべてにおいて柔和な手袋につき、各色ともに男女サイズを揃えました。
先に上げた商品画像が2ペアずつなのはそのためです。

12月ももう中旬、これからいっそう手のかじかむ季節にシフトしていきます。
真冬への備えは進んでいますか?

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いまは 刻んだ夢を道づれにして 旅に出るがいいさ ~ HAVERSACK/ 高密度シャンブレー スタンドカラーコート

ずっと何も変わることなく定番として愛され続ける服の素晴らしさは言うまでもありませんが、どんどんマイナーチェンジを重ね完成度を高めていく服というのもまた面白いものです。

それはもちろん「前のがダメ」を意味せず、初代の出来栄えがあってこそ次に繋がるわけですし、過渡期のモデルには過渡期ならではの魅力があります。
何かを立てれば何かが下がる、というわけではありません。

このコートも、当店で取り扱うのは初めてですが、ここに至るまで何度マイナーチェンジを重ねたことでしょう。
デザイナー本人をして、ついに「完成形」と呼べるものとなったとか。


大本のデザインソースはスウェーデン軍のモーターサイクルジャケットだそうですが、もはやデザインした当人たちでさえ「原型がどうこうとか意味がなくなった」と感じるほどにオリジナリティ溢れる一着です。

当店が今回仕入れた理由も、「完成形」かどうかでなく、あくまで服そのものを見て判断したうえでのこと。
さて、如何なるコートなのかじっくりとご覧いただきましょう。

生地は高密度に織られた肉厚のコットンシャンブレー。

その耐久性、防風性は言うまでもなく、光の当たり具合で仄かに玉虫のような複雑な色調を見せる、美しい生地です。

実用性のみならず視覚的にも大きな特徴であるポケット。

深い前立てゆえに成り立つサイズと配置です。

この前立ての作り込みにまた唸らされます。

スナップとボタンの二重構造で、襟を立ててすべて閉じることで徹底して冷気の侵入をシャットアウトしてくれます。

さらに、ウールのスライバーニット(繊維を糸状に束ねずそのまま編み立てているニットで、空気の含有量が多いため柔らかく暖かいのが特徴です)のライナーがしっかりと内部を保温します。

なお、このライナーは取り外し可能ですので、真冬以外は外して着てもよいでしょう。

ロングコートはかさばって動きづらい、そんな印象を持たれている方も多いかと思われます。

が、袖下のマチによって、全体的にルーズフィットの構造ながら腕を上げても身頃が引っ張られず、見た目の印象よりも遥かに動きやすいコートです。

使いやすさへの気配りは見れば見るほど驚嘆するばかりで、袖口のカフスはフィット感を高め冷気が入ってくるのを防ぎますが、このカフス、通常のつくりだとボタンを外したときにぶらぶらしてしまいます。

しかし、ガセットを入れることで見事その問題を解決。

強面のようで、とことん着る人のことを考え抜いてデザインされています。

たしかにこれは紛うことなき「完成形」ですね。

若い人から、いままでいろんな服を着倒してきた熟練の紳士まで、自身を持ってお薦めできる逸品です。

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枯れ葉色のクレッシェンド ~ EEL Products/ BROWN DAY COAT

せきれいのみちが鮮やかな紅や黄色に彩られる時間は終わりを告げたようで、気づけば辺りはすっかり枯葉色に染まっていました。

この物悲しく色褪せた茶色が、今年も横浜に冬が訪れたことを教えてくれます。

コートの季節ですね。



EEL Productsの新作BROWN DAY COAT(ブランデーコート)は、その名の通り茶色の情景にあわせてデザインされた外套です。

もちろん見た目だけでなく、現実問題としての寒さや、着心地もじゅうぶんに考慮されており、カシミア混のふんわりした柔らかな生地で仕立てられています。

全面にポリエステルのしっかりした裏地が張られ、防風性も申し分ありません。

暖かいのは言うまでもなく、驚くのがその軽さ。
店頭でも皆様「えっ」と驚かれます。

ジャンルとしてはいわゆるチェスターフィールドコートに該当しますが、この生地の特性のみならず、全体的に円く柔和な雰囲気にまとめられ、オーセンティックなチェスターフィールド特有の硬質なマッチョさは皆無です。

この軽さと優しいデザインゆえ、当店ではメンズサイズはもちろん、女性にもお薦めできるXSサイズもご用意しました。

冬の厳しい寒さと寂寞を趣に変えてしまう、それもまた服の力ですね。

オンラインストアはこちらです→ ネイビー/ チャコール

きみとイスまでも ~ beta post/ chair cushion hunting jacket

某英国ブランドの衰えぬ人気もあって、街着としてハンティングジャケットを身に纏うことはすっかり当たり前のファッションとなりました。

しかしながら言うまでもなくハンティングジャケットは市街地を闊歩するためでなく狩猟をサポートするのためのギアであり、湿地や森の中でどのように獲物をとる手助けとなるかを追求してデザインされています。

それが用の美を生み出し、ファッションとして愛されているわけですね。

さて、「獲物をとる」ためのジャケットがあるならば、「休憩をとる」ためのジャケットというものは如何なるものでしょうか。

いえいえ、店主がいきなりおかしくなって、何の脈絡もなく酔狂なことを申し上げているわけではありません。
このジャケットが届いたからなのです。


ハンティングジャケットを下敷きとしながらも、市街地向けにソフィスケートされたこの一着。

高密度に織られたコットンの素材を主に使用し、襟は羊革で、肩はより耐久性の高い生地で補強、

あちこちに設けられたポケットが細々とした身の回りの道具を収め、

軽快かつ快適に都市生活をサポートします。

それだけでもじゅうぶんに魅力的なジャケットですが…そこはbeta post。

先ほどサッと画像を流し見してしまった方も多いでしょうから、もう一度背面をご覧いただきましょうか。

冬向けのジャケットらしく、たっぷりと化繊中綿が詰まった、暖かい背中です。
しかしそれにしても、ダイヤモンド型に配置されたタフティングデザインが、服というよりほかの何かを彷彿させますね。

両脇には深めにファスナーが設けられていますが、これは着用時のシルエットに変化を出す、暑さを逃がすといった役割のほかに、重要な意味を持ちます。

たとえば、チョイと一休みしたいと思ったとしましょう。

そこには椅子があったとして、けれど冬ですから座面が冷たいとか、あるいは単にその椅子の座り心地に不満があるかも知れません。

そんなとき、一度このジャケットを脱いで、背もたれにかけてみては。

先述のファスナーを開放することで、背面下部を座面に流すことができます。

というわけで、ふかふかで暖かな椅子のできあがりです。

これこそ、「休憩をとる」ためのジャケット。
命を奪う行為から、命を長らえさせる行為へ、見事な転化を遂げました。

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HOED 帽子オーダー&即売会開催のおしらせ

昨年に引き続き、HOED冬の帽子オーダー&即売会を開催します。

今回も季節に合わせた魅力的な内容となっていますので、ラインごとにご紹介していきましょう。

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まずは、受注商品から。

【HOED HOMME】

HOMMEは、日常的に使いやすい気軽さと、凛とした清潔な佇まいのバランスが持ち味。
当店ではおなじみの存在ですが、実はHOEDのなかではかなり取扱店の少ない、限定的なラインだったりします。

Sheep suede 6panel cap
PRICE : ¥23,100 (tax inc.)
SIZE : free
COLOR : Black/ Charcoal Gray/ Gray Navy

【HOED MADE IN JAPAN】

MADE IN JAPANは、オーダーメイドおよびカスタムメイド専門ライン。
ですので、こうしたイベントでのみご紹介できます。

Goat suede 6panel cap
PRICE : ¥24,200 (tax inc.)
SIZE : free
COLOR : 本体色はサンプル帳より約40色から(+ ¥5,500にてコンビ配色も対応可)/ 調整ベルトは3色から選択可

Goat suede 5panel cap
PRICE : ¥24,200 (tax inc.)
SIZE : free
COLOR : 本体色はサンプル帳より約40色から(+ ¥5,500にてコンビ配色も対応可)/ 調整ベルトは3から選択可

どちらも、納期は約1ヶ月です。

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上記オーダー限定品にくわえ、今回は即売商品も充実しています。

Wool 6panel cap
PRICE : ¥19,800 (tax inc.)
SIZE : free
COLOR : Black/ Navy

Wool 8panel wide beret
PRICE : ¥19,800 (tax inc.)
SIZE : free
COLOR : Black/ Navy

意外なことにいままで提案されなかった、ウールのキャップとワイドベレーです。
冬にぴったりの雰囲気で、個人的には今回の目玉商品だと思っています。

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その他にも、さまざまなタイプの帽子を即売用に用意していただけることとなりました。

cotton cap / hat
PRICE : ¥12,100 (tax inc.)

leather cap / hat
PRICE : ¥22,000 (tax inc) 〜

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会期は12/13(土)~21(日)です。

なお、12/14はデザイナー在店予定日ですので、本人と直接お話しながらお買い物をということであれば、是非この日にお越しください。

ゆく河の流れは絶えずして しかももとの水にあらず ~ .URUKUST

都筑は鴨の多いところです。

ほとんどはカルガモのため一年中その姿を見ることができますが、冬の間はたまにマガモを見かけることも。

今季の.URUKUSTのシーズン限定色は、そんな都筑の冬にぴったりな、マガモのオスに特有の青緑、すなわちティールブルーです。

植物タンニンで鞣し、べたつきの少ないオイルでさらりと加脂したブランドオリジナルのこの革は、はじめのマットな質感が使い込むごとにしっとりとした艶を帯びてきます。

墨田区の職人さんの手で染められたこの美麗な色がどのように深まっていくのか、楽しみですね。

今季もご用意した型は5種類。

Key Holder(STK-02)、

Key Case(STK-01)、

Compact Wallet(STW-05)、

Bifold Wallet(STW-03)、

そしてLong Wallet(STW-01)。

どれもルックスのみならず使い勝手のよさに定評のある、日常の伴となるべき逸品揃いです。

邪魔にならず、それでいて鍵の存在感を補佐するキーホルダー、キーケース。
最少のアクション、最短距離で目的にたどり着く設計の財布。
どちらも最少のパーツが軽さを、最少の縫製箇所が故障の少なさを実現しています。

それは机上のイメージイラストでなく、実際に手を動かし、何度も試作を重ねた末に辿り着いたデザインだからこそ。

この素晴らしいものづくりを行うブランドがご近所さんというのはまさに僥倖でしたが、実は.UTUKUSTさん、長らく拠点を構えていた都筑の地を離れ、美しい山々に惹かれて長野県へ移転される予定とのこと。
とても寂しい限りです。

とはいえ、もちろんお取り扱いは今後も変わらず継続しますので、どうぞご安心を。

オンラインストアはこちらです→
STK-02 Key Holder
STK-01 Key Case
STW-05 Compact Wallet
STW-03 Bifold Wallet
STW-01 Long Wallet