ノ・ナ・カウ・ア・カウ ~ Ithe/ No.65-95-IO

言うまでもなく、常夏の島の服であるアロハシャツは、日本では真夏にこそ真価を発揮します。

しかし、あの肩肘張らないリラックス感だけは夏限定にしておくには惜しいところ。
漸う忍び寄る晩夏、そして秋を見据えてもなお、アロハシャツのエッセンスを引っ張れないものでしょうか。

そんな無茶なテーマに応えたのが、Itheの新作No.65-95-IOです。


カメハメハ・ガーメント・カンパニー製のアロハシャツをIthe流に再構築したNo.21-KMS、それをさらにリアレンジしたNo.21-65-IO、それをこのたび長袖に変更、と、アレンジにアレンジを重ねて生まれました。

襟周りやポケットの位置など、全体的に重心が低く、ゆえにここまで都会的に改変してもなおアロハシャツ特有のリラックスした雰囲気が残っています。

一方でしっとりとした高密度のコットンの生地は、アロハシャツらしからぬソリッドな雰囲気。
夏の盛りというよりやはりもう少し気温の落ち着いた時期にこそ着たくなる質感です。

長袖は一般的なつくりながら、やや大きいボタンを採用することで緊張感を削ぎ、ふつうのようでふつうではない、独特のバランス感に着地させました。

シャツとしてのみならず、軽いシャツジャケットのような用途にも適しています。
まだしっかりとした秋の上着なんて着られないよ、という時期の羽織りにちょうどよさそうですね。

この優れた使い勝手は、さすがItheです。

オンラインストアはこちらです

夏の終わりが君をさらってゆく 君の香りだけを残して ~ LIVRER/ Laundry Detergent

都筑区を代表するブランドと称しても過言ではないLIVRER。

洗濯ブラザーズとしての活動を各メディアで目にすることも多く、いまや都筑、横浜の枠を軽々と超えて、全国規模で「洗濯といえば」くらいの存在と化しています。

そんなLIVRERとも、気がつけば10年もの付き合いとなりました。

共通の知人からプレゼントされた洗剤を初めて使ったときの衝撃は、いまでも鮮明に覚えています。

それからすぐに先方に連絡し、お取り扱いを開始したわけですが、まだ洗濯ブラザーズでもなく、常設のお店もほぼない状態。

なんと、当時は「LIVRER 洗剤」でググると一番上に当店が出たんですね。
いまでは考えられません。

あれからボトルのデザインが変わったり、商品ラインナップも大幅に増えましたが、それでも基本の香り4種類という軸は不動でした。
すなわち、青リンゴ、ベルガモット、ビーチ、フォレストです。

その軸が、この8月ついにリニューアル。

青リンゴ、フォレストが勇退し、代わりにフレッシュな2種が仲間入りを果たしました。

フレッシュなのは存在だけではありません。

ローズハーブ、センチャ(煎茶)、ともに甘さを抑えた清涼な芳香で、継続するベルガモット、ビーチとはまた異なる新たな魅力を切り拓いてくれています。

引き続き展開する無香料タイプとあわせて計5パターン、あらためて毎日の洗濯の相棒を再選考してみてください。

オンラインストアはこちら→ 香りつき/ 無香料

いつまでも 絶えることなく ~ KIMURA/ no pinhole shirt LS

この夏も大好評を賜り完売となったKIMURAのシャツ。

どこまで生地を裁断することなくシャツを作れるのかという異様なテーマ、それを実現する高度な技術と独創的パターンワーク、その結果としての美麗なシャツは、孤高の存在すぎて何者とも比較できないKIMURAの現在地を示しています。

真夏の盛りでまだまだ夏物をお探しの方も珍しくありませんが、チラホラと晩夏や秋を意識する方も出はじめているこの時期、またもやKIMURAが妖しい輝きを放ち出しているようです。



経糸緯糸ともにインディゴ染め糸を使用した平織の生地を使用したものと

KIMURAオリジナルのダークグリーンに染められたフィンクスコットンのブロード生地、

雰囲気こそ異なれど、設計はまったく同じです。

無裁断シリーズの究極系とも称すべき魔のシャツ、とくとご覧ください。

そもそもこのno pinhole shirtは半袖からスタートし、当店でも人気品番のひとつです(今年はブログ登場前に完売してしまいました)。

一枚の生地をぐるりと用いた一体型の身頃であるのみならず、

生地をまったく裁断することなく端(いわゆる耳)をそのまま使用した裾、袖口は不思議な薄さ、軽さを生み出します。

今回は生地によって印象がだいぶ異なりまして、インディゴは明確な赤耳がアクセントに、

一方でダークグリーンは耳らしくならないよう穴を開けず織り上げているため、まるで鋭利な刃物ですっぱり切ったような表情となっています。

問題は袖口です。

半袖なら、そのまま使用すればよかった(それでも通常ではあり得ないような設計ですが)ところ、長袖となるとカフスだったりスリットだったりプリーツだったりと、難題が並んでしまいます。

ではどうするか。
半袖をそのまま長くする仕様にすれば解決しそうですけれども。

KIMURAの回答は。

こちらの浅はかな想像を軽々と超え、narrowing dardiganでも発揮された成形技術が唸りに唸り、一枚の生地を構築的な袖にしてしまいました。

こんなにもシンプルで、ミニマルで、クリーンで、異形で、そのうえ永続的な美しさを帯びたシャツを生み出すとは、何なることでしょう。
取り扱いをはじめて10年経っても驚かされてばかりで、いつまでも恐るべき存在です。

オンラインストアはこちらです→ インディゴ×インディゴ/ ダークグリーン

被災地支援キャンペーンを実施します

連日、テレビやSNSでは熊本の震災の様子が流れてきます。

横浜もたまたま関東大震災以来何もないだけで、同じ地震列島の住民として決して他人事ではありません。

しかし能登のときもそうでしたが、助け合いといってもこんなしがない零細商店にできることには限りがあり、何かやれることはないかと考えながらもなかなか動けないものです。

節税対策としてでもそうでなくても私財を投じられるほどの資金源があるわけでもなし、クルマを飛ばして直接ボランティアに駆けつけることもできません(そもそも店主はペーパードライバーですし、肉体的能力からみても足手まといになるのは目に見えています)。

募金箱を置くのも考えましたが、ただお客様の善意と喜捨に依存するのも、何か構造に偏りがある気がしてなりません。

だれかに負担をかけるのではなく、無理なく維持・再現できる形で、可能な限り最大のパフォーマンスを出せる方法が必要です。

というわけで。

7/30~8/15の期間に店頭で売り上げた金額の3%を支援金として被災地に寄付することにしました。
振込先は、熊本県の義援金口座を予定しています。

当店としても、3%であればそこまで負担も大きくはなく、生々しい話をすれば皆様のご支援の気持ちが売上にも繋がるのなら却ってメリットにもなります。
売上に繋がるのなら、またどこかで同じような事態が起きたときも、このような形で支援ができるということになります。

お客様としても、いつものようにお買い物を愉しんでいただくだけで、それ以上の負担もなく自然に被災地支援ができます。

被災地としても、まあ当店の売上などたかが知れていますが、少なくとも迷惑にはならないでしょう。

これは見方によっては震災を利用した売名であり販売促進ですし、そのような批判を受けることも想定しています。
が、win-win-winの構造で、だれかを傷つける話でもありませんから、とくに恥じるつもりはありません。
偽善とも何とも、お好きなように批判していただいて結構です。

すべてはホントでウソかもね ~ beta post

「ホンモノ」とはなんと便利な言葉でしょう。

たとえば商品を説明するにあたり、「ホンモノ」の一言それだけで大きな説得力を持たせてくれます。

その「ホンモノ」、フェイクやイミテーションでない、という意味もあれば、見せかけでなく中身のある、実力のある、という意味でも使われたりして、またときに両方のニュアンスを含むことも。

そして言を俟たず、フェイクやイミテーション、すなわち「ニセモノ」でありながら、後者の「見せかけでなく中身のある、実力のある」意味で使われることはめったにありません。

しかし、何にでも例外はあるものです。

このアルミニウムのスーツケースのようなバッグ、言ってしまえば「ニセモノ」でして。

なんとアルミではなく、牛革でつくられています。

革の表面に箔を施し、リブ状のラインをエンボス加工することで、革でありながら金属のような質感を生み出してしまいました。

角にはわざわざトランクに使われるような金具を配し、実に堂々たる「ニセモノ」っぷりです。

革の柔らかさゆえ、アルミニウム同様に使っていくうちに凸凹のある表情に変化していくのも面白いところ。

なお、裏地は薄く漉いた革を使用しています。

本体には手持ちのハンドルが設けられ、

さらに一枚革のしっかりとしたショルダーストラップも付属していますので、使い方はお好み次第。

なお、このストラップは使わないときは取り外すこともできるようになっています。

比較的小ぶりで、日常使いに最適なサイズ感です。
老若男女問わずお使いいただけます。

さて、今回ご紹介する「ニセモノ」はバッグだけではありません。

バッグと同じく牛革に箔を押しエンボス加工を施すことでスチールのような冷たい質感に仕上げたものと、

段ボールを模したもの、

同じ構造の三つ折り財布ですが、印象はだいぶ異なりますね。

スチール風から順にご紹介していきますと、こう見えて実は2色展開です。



敢えて使用していくうちに剥離するよう、薄く箔押しされています。

これはいわゆる単純な「使い込んだ味」よりもさらに突っ込んでデザインされた結果でして、箔が剥がれて下地が露出するにしたがい、さながら金属が錆びていくような風貌へと変化していくよう計算されています。

段ボール調も面白い素材です。



いやもうどう見ても段ボールなのですが、紙のような質感の複合素材と畝状に加工した豚革を組み合わせ、わざわざこのチープな風合いを出しています。

「ホンモノ」の段ボールは当然紙ですから、いくら丈夫といっても使っていくとヘロヘロになり、破れていきます。

一般的に梱包材として一時的な使用を前提とする素材ですから、それはそういうものなのですが、この「ニセモノ」は耐久性に優れていますので、「ホンモノ」よりもはるかに長期の使用に耐え、経年に伴う変化も愉しめます。

こうなってくると、何が「ホンモノ」で何がそうでないのか、よくわからなくなってきましたね。

毎度のことながら、こちらの思考の土台を揺さぶってくるbeta postの提案には驚かされるばかりです。

オンラインストアはこちら→
alumic container bag ブラック/ キャメル
steelic trifold wallet ブラック/ キャメル
cardboardic trifold wallet ブラック/ ベージュ

紫のゆかり ~ mando/ ガーメントダイド イージーパンツ

その陽射しの強さや開放的なムードもあって色物や柄物が増える夏ですが、それでもボトムスに限っては比較的落ち着いた色を選ばれる方が大半です。

たしかにトップスが色鮮やかでボトムスも同様となると、かなりの色彩感覚を要しますから、難しさを感じるのも当然ではあります。

しかし、その需要に従って、無彩色、ネイビー、カーキといった馴染み深い色のボトムスばかり揃えるのも、服屋とてあまりに保守的すぎるなと感じるところ。

提案と実需のバランスはいつだって難題です。

そんななか、昨季に続き今季もmandoに別注できる機会を得まして、この夏、せっかく作るなら少しばかり実験的にやってみよう、と思い立ったのが今回ご紹介するパンツ誕生のきっかけです。


昨季もウールポリエステルサージの別注で好評を賜ったイージーパンツ、今回は蒸し暑い真夏にも快適なレーヨン×キュプラ×シルクの薄手の生地で、そこに製品染めを施しました。

この深紫は、当店とmando共同で調色を行った、オリジナルカラーです。

「エッ、パンツで紫って過激じゃない…?」と思われる方もいらっしゃるでしょうが、そもそも紫は暖色の赤と寒色の青の両方の要素を備えた、合わせやすい色です。
もちろん明度や彩度を上げてしてしまうとさすがに迫力が強まりすぎてしまうため、とにかく可能な限り黒に近い、抑制されたトーンを目指しました。

結果、ブラックより軽く、ネイビーほど軽くない、絶妙なバランスに仕上がったと自負しております。

パンツ自体の基本的な構造は、昨季のパンツと同様です。

腰にゴムとドローストリングを配したイージーパンツで、

サイドシームのない筒状の構造で立体的に仕立てられています。

生地の流れが途切れず、レーヨンならではのとろみもあって、体の動きに合わせ優美なドレープを描きます。

唯一の変更点は裾丈です。

季節柄、薄底の靴やサンダルと合わせるシーンを想定し、若干ですが短めに仕上げました。

裾が地面に擦れるのを防ぎつつ、見た目の印象の軽さ、そして夏の服に求められる涼しさを高めています。

今回、サイズ2と3のみご用意しましたが、ウェストの絞りを調節できることと、このレングスの調整により、2サイズ展開でも適合する方は多いはずです。
おおまかなイメージとしては、サイズ2でS~Mの方に対応、サイズ3でM~Lの方に対応、とお考えいただければ。

当店×mandoならではの一本、是非とも夏のお伴としてお役立てください。

オンラインストアはこちらです

ひとつなぎの物語 ~ KIMURA/ convertible collar shirt & TUCK CUBA

夏のKIMURA、揃いました。

世間一般的にはnarrowing cardigan(シャツカーディガン)のイメージが強いKIMURAですが、Euphonicaで夏の半袖シャツといえば、のブランドでもあります。

毎年大人気を誇る、黄色いベルギーリネンを用いたconvertible collar shirtは、今年も登場。


脇に接ぎを設けず一枚の生地をそのまぐるりと丸めるようにして仕立てた胴回りの仕様は、いまやKIMURAの代表格でもある定番ディテールです。

左右とも生地の耳が見えますね。
いかに生地を切らずにシャツを作れるのか、その情熱には禍々しさすら感じさせます。

禍々しき無裁断のアイディアは、新作にも踏襲されました。


経糸緯糸ともにインディゴ染め糸を使用した平織の生地は、着込み洗いを重ねることで徐々に色落ちし、風合いが変化していくさまを愉しめます。

胴の筒状の構造は先述のシャツと同様で、

かつ裾と袖口は生地の耳をそのまま残すことで折り返さず成立させてしまいました。

そしてこのキューバシャツ。
無裁断シリーズのなかでもっとも先鋭的なモデルと言えるのではないでしょうか。


KIMURA別注のフィンクスコットンのブロードは、耳にピン穴のない仕様の生地のため、生地の端がまるですぱっと鋭利な刃物で切られたかのように仕上がっています。

筒状の胴、

裁断せず耳をそのまま活かした裾と袖口は、先のインディゴのシャツと同様の構造ですが、この薄玻璃のような生地の端の表情には、一種の恐怖すら感じますね。

特徴的な前身頃のタックは裾近くで縫い止め、裾に向けて生地を開くことで立体的なドレープを生み出しています。

毎度のことながら、木村さんの細やかな手仕事の光る、美麗極まりない逸品です。

この3型はどれも無裁断という基本コンセプトを共にしながらも、それぞれ異なる魅力を放ち、甲乙などつけようもありません。
感覚的にピンと来たものを気分に任せお選びいただければ、それが正解です。

オンラインストアはこちら→
convertible collar shirt HS / インディゴ×インディゴ
TUCK CUBA HS ダークグレー